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―Aside―



いけない。


そう思った時には、

私の手は、すでに杏寿郎の腕を強く掴んでいた。




無意識の行動であるが故に、

想像以上の力を上乗せしてしまった。




これには杏寿郎も少し驚いたのか、

争いが勃発する一歩手前で

彼は私の方へ振り向いてくれた。




怒りと闘志が入り混じったその瞳が

私へ真っ直ぐ向けられる。



年々強くなるその覇気に、

怯みそうになる自分を

押し殺す必要が今の私にはあった。



ここで私が彼を止めなければ、

誰かが傷ついてしまう可能性がある。




私はただ、何も言わず、

彼の瞳を前に首を左右に振った。



彼の瞳から一切視線を外すことなく

ただ首を横に振る。



そうすることで

彼の怒りや闘志が鎮まってくれるのを待った。




私は、何を言われても正直平気である。


その上、彼ら二人の親子関係を崩したくない。


大丈夫。


私は大丈夫だ。




そう念じながら、

彼の瞳を見つめる。



A「………」


杏「………」



少しして

ふぅっと杏寿郎が一息ついたので、

もう問題はない。



私は彼の腕からそっと手を離した。



杏「無礼をお許しください」



杏寿郎は、それだけ言うと

深く深く槇寿郎と少女へと頭を下げるのだった。



槇「尻に轢かれよって。

  愚か者が」



少しして顔を上げた杏寿郎へ

感謝の意味を込めて

私はそっと彼の背をさするのであった。



彼にはあとで

芋を使った洋菓子でもあげようと思う。

105→←103 ー千寿朗sideー



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設定タグ:鬼滅の刃 , 煉獄杏寿郎 , 宇髄天元   
作品ジャンル:恋愛
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あいふぉん - 初めまして。とても素敵なお話で一気に読んでしまいました!!煉獄さんが本当にかっこよすぎて夢主が可愛すぎてっっ!!続き楽しみにしています!! (2021年10月5日 0時) (レス) id: 367ee183e7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:わたあめ | 作成日時:2021年8月27日 20時

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