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ー春蘭sideー
家事を指導される中で
厳しい言葉も多々あるが、
その中で私の人格を否定したり
これまでの生き方を批判することは絶対にしない。
なぜそうすべきなのか、
なぜこのような決まりがあるのか。
常識を知らない私でも
納得ができるように、簡潔に説いてくれるのだ。
彼女の行動や言葉の節々からは、
優しさを感じてしまう。
羨ましさの塊であるAを
嫌いになれないこと。
それどころか、
日々の支えになってしまっていること。
…そして、その優しさが
どうしようもなく杏寿郎に似ていること。
それこそが、私の中の
一番の悩みであった。
A「もっと指の腹を使って抑えなさい。
爪を立てては力が入らないでしょう」
杏「頑張れ!!!春蘭!!!!!
Aの指導は厳しいと
鬼殺隊でも有名だ!!!」
右背後からキーンとするほどの大声。
未だ彼との至近距離に慣れない私は
驚いて包丁を手から滑らせる。
春「わっ…」
すかさずAが落下前に
その包丁を掴んでくれる。
その間わずか0.5秒はくだらないだろう。
信じられないほどの瞬発力に
私は二重に驚くことになる。
A「杏寿郎さん、
声を調節することを覚えてください。
特に春蘭にはです。
仕事中に怪我でもすれば
どうするんですか」
Aは右手に包丁を握りながら、
未だに硬直したままの私を
左腕で軽く抱き寄せてくれる。
杏「む……」
いつもの彼の覇気のある表情とは一変。
眉毛はハの字へと変わり、
本気で悲しそうな、切なそうな顔になった。
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あいふぉん - 初めまして。とても素敵なお話で一気に読んでしまいました!!煉獄さんが本当にかっこよすぎて夢主が可愛すぎてっっ!!続き楽しみにしています!! (2021年10月5日 0時) (レス) id: 367ee183e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:わたあめ | 作成日時:2021年8月27日 20時