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―Aside―
春「うーん……、
うっ!!」
作業着の着方を
未だに覚えられないと嘆く春蘭の
その帯を、わざと強く締め上げる。
そして寝ぼけたままの彼女の髪を
少々乱雑に解かし、縛り上げる。
A「文句があるなら、
早く自分で作法を覚えなさい」
それだけ伝え、
既に日が高く伸び始めた渡り廊下へと
私は急いだ。
春「眩しいっ」
素直に私の後についてくる彼女へ
静かにするように忠告する。
煉獄家に勤めて約10年間。
私はこの家の仕事を、
全て一人で担ってきた。
それがある日いきなり
年下の少女に
それらを教えるように頼まれたとして、
それはもう、毎日が新しい発見だった。
A「生肉を触った後は、
必ず一度手を洗いなさい」
春「それは何故ですか!!」
A「朝食ができるまでは、
皆さんを寝かせて差し上げなさい。
無闇やたらに起こしてはいけませんよ」
春「皆さんで朝食を作ってはいけないのですか??
私は早く杏寿郎さんに会いたいです」
A「春蘭。殿方には敬語を使いなさい」
春「私はもっと皆さんとお近づきになりたいです」
な、なるほど。。
と言葉を詰まらせるような答えばかりが
彼女から返ってくるのである。
しかし、私が怯んでは
誰が彼女に現代社会の常識を教えるのだ、
と自分自身を律するのであった。
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あいふぉん - 初めまして。とても素敵なお話で一気に読んでしまいました!!煉獄さんが本当にかっこよすぎて夢主が可愛すぎてっっ!!続き楽しみにしています!! (2021年10月5日 0時) (レス) id: 367ee183e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:わたあめ | 作成日時:2021年8月27日 20時