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ーしのぶsideー
「Aさんを今まで通り愛してあげてください」
私はそれだけ言うと、
触診を終えたAの額に、
優しい力でガーゼを貼る。
A「どれだけ傷跡が残っても、
これ以上戦えなくなっても
煉獄さんはAさんを愛すと、
約束してください」
それから、
「できましたよ」、
とAを杏寿郎に託して微笑んだ。
Aを咄嗟に抱えた彼の手は
どの割れものを持つ時よりも、優しい手つきである。
しのぶ「怪我を負うことも、力尽きることも、
Aさんにとれば
何とも無いことのはずですよ」
時に自己犠牲に体を蝕まれるほど
心優しいAのことを、
私は心から尊敬していた。
彼女は、私の中で唯一信頼できる人である。
それと同時に、
どこか亡き姉と重ねてしまう自分がいることもまた、
否めない。
だからこそ、
より一層大切そうにAを抱える杏寿郎に
念を押す必要があった。
しのぶ「だから煉獄さんは、今まで通り
何があってもAさんを愛してあげてください」
私に言えるのは、ここまでである。
Aさんによろしくお伝えください、
とだけ残した私は、
硬直したままAを抱きしめる杏寿郎に
背を向けた。
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あいふぉん - 初めまして。とても素敵なお話で一気に読んでしまいました!!煉獄さんが本当にかっこよすぎて夢主が可愛すぎてっっ!!続き楽しみにしています!! (2021年10月5日 0時) (レス) id: 367ee183e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:わたあめ | 作成日時:2021年8月27日 20時