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80 ―炭治郎side― ページ35

―炭治郎side―


炭「くっ…」



息も絶え絶えに、俺は建物の影に一度身を隠した。


鬼殺隊に入って何度目かの命の危機だった。




このまま真正面から戦えば、確実に実力に劣る。


頭を使わなければ、あの頸を切断することはできない。




汗と共に日輪刀を握りしめた俺は

その腕で、額から流れる血を拭った。




南の繁華街に向かうように伝令されたのは

ほんの2時間前。



たまたま別の任務で近くにいた俺は

すぐに目的地まで足を運ぶことができた。



日が暗くなるにつれ、

繁華街の裏にある古びた商店街から

鬼の匂いが強くなることを確認し、


それから迷わずここに来て今に至る。




後から他の隊士達が応援に来てくれたものの

俺と同様そのほとんどが負傷中である。





……俺が戦わなければ。


こんなところで、ふらついているわけにはいかない。


蝶屋敷で俺は何を習得したんだ。




耳飾りが血生臭いねっとりとした夜風に揺れる。





鎹鴉の伝令によると、今回の鬼は1体のはずだった。


しかし、いざここへ来てみると分裂型であることが判明した。


加えて妙な血鬼術。



あの血に触れると視力が一時的に奪われる。


数滴喰らっただけでも、

数分間目の前が真っ白になりパニックになる。




俺はまだ鼻が効く分、鬼がどこにいるのかが分かるが

それでも判断が鈍ることは否めない。





何よりパニックになった隊員たちは全て

的確な位置に致命傷を与えられている。




この鬼、かなり戦闘慣れしている…。



落ち着いて呼吸を繰り返すうちに、

霞んではいるものの視界が機能し始めた。

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設定タグ:鬼滅の刃 , 煉獄杏寿郎 , 宇髄天元   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:わたあめ | 作成日時:2021年5月4日 20時

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