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5年前
ーAsideー
杏「身分は関係ない！父上！！
彼女を侮辱し暴力を振るうことは、
この杏寿郎が断じて許さない！！」
耳を塞ぐ勇気も
顔をあげる力もなかった私は、
ただ彼の背にへばりつくしか他はなく。
その後幾度となく続いた
槇寿郎からの暴力と暴言に、
何度気を失いかけたかわからない。
ーー
それから数十分後、
私は大泣きしながら
薬箱を抱えて台所へと走っていた。
千「Aさん！！
どこかお怪我なさったんですか！？
髪もびしょ濡れです」
激しい怒鳴り声に起きてきた千寿郎の
その優しい言葉にも
まともに受け答え出来ぬまま、
私は泣いたまま台所へと足を動かした。
杏「む、千寿郎も来たか」
台所では、
打撲と少しの出血をする杏寿郎が
朝ごはんの材料を戸棚から出しているところだった。
千寿郎「兄上！！」
泣き喚く私から薬箱をそっと取り、
千寿郎はテキパキとした手つきで
杏寿郎の止血を進めていく。
千寿郎「…い、痛みますか？
額の傷が大きすぎます…兄上」
杏「なんてことはない」
痛みをもろともしないような彼の笑顔に、
私は未だ謝ることすらできずにいた。
杏寿郎に新調してもらったばかりの羽織で
止まることのない涙を
ただがむしゃらに拭うことしかできず、
自分の弱さが身に染みた。
…痛いと思った。
杏「A」
世界で一番愛おしい声が
私の名を呼ぶ。
それでもその時は、
素直に頭を上げることはできなかった。
悔しいと思った。
彼はいつも
私の痛みを代わりに受けてくれる。
彼を傷だらけにするのも、
張り付いたような笑顔を作らせるのも、
きっと全部全部、私だ。
薄々勘づいていたことだったのに、
こうも涙が止まらない。
情けない。
不甲斐ない。
杏「A」
気づけば再び温かい彼の腕の中に居たとして、
そこはやはり血生臭くて。
思い返せば、この頃にはもう既に
『強くならなければならない』
という悍ましいほど激しい感情が
私の中で大きく形作っていたのかもしれない。
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まるまるもりもり(プロフ) - さねみん推し(だが渋い槇寿郎も好き)さん» たしかにそうですね！そうすぎますね！！！！！書き直させていただきます！的確なご指摘本当にありがとうございます(TT) (2021年3月14日 11時) (
レス) id: 1253c02f70 (このIDを非表示/違反報告)
さねみん推し(だが渋い槇寿郎も好き) - すいません・・・「エピローグ」の所、物語の最初なので「プロローグ」の方がいいんじゃ・・・(^_^;) (2021年3月14日 6時) (レス) id: ff085d1bee (このIDを非表示/違反報告)
まるまるもりもり(プロフ) - 凪子さん» 凪子さん、素敵なコメントありがとうございます^ ^ そうですよね！煉獄さんは身分差は気にしない素敵な人ですよね(*^^*) 凪子さんにもっと楽しんでいただけるように、頑張ります！！ (2021年3月13日 23時) (レス) id: 1253c02f70 (このIDを非表示/違反報告)
まるまるもりもり(プロフ) - 衣世さん» 衣世さん＾＾コメントわざわざありがとうございます！とても嬉しいです(^-^)ハッピーエンドになるように頑張りますね！！ (2021年3月13日 23時) (レス) id: 1253c02f70 (このIDを非表示/違反報告)
凪子(プロフ) - 身分の差…煉獄さんは気にしないと思いたいです！展開を楽しみにしています(^^) (2021年3月13日 8時) (レス) id: 33c3d87eb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わたあめ | 作成日時：2021年3月12日 20時
