煉獄家の女中が鬼殺隊に入らない理由【煉獄杏寿郎】

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ー A side –



翌朝。


いつもより早い目覚めを迎えた私は、

昨晩終えられなかった書類作業を済まし


重要事項を少し寝ぼける彼に伝えるのだった。




A「いいですか。

　 柱合会議は二月先ですが、

　 お館様は個別に杏寿郎さんにお会いしたい

　 と仰っています。


　 承諾するのですね？」




私は少しでも目が覚めるように、と

布団から起き上がったばかりの彼の髪を

普段より乱暴に引っ張りながら結ぶのだった。





杏「うむ。

　 お館様が望むならば、

　 柱として応えぬわけにはいかない」




昨晩は二人して随分と夜更かしをしてしまった。




基本、彼の寝起きはかなり良いのだが、


睡眠不足にあまり強い方ではない。





なので、彼が鬼殺隊の激務を抱えている際には、

彼が空腹にならないか

栄養不足にならないか

睡眠不足にならないか


などと彼の健康面において

私は神経をすり減らすのである。






どんなに小さくとも

彼の身体的不調は、

彼自身の命に簡単に刃を向ける。





鬼殺隊の柱として生きるということは

そういうことだ。






A「そう言われると思いました。

　 署名しておきますね」




いつもよりキツく、

朝日のようなその髪を縛り終え

私は書類の最終ページに彼の名前を書いた。

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