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-Aside-



私の傷を穴が空くほど眺めた後、

彼はそのまま何も言わず

丁寧に私に着物を着せてくれる。




その後、随分と慣れた手つきで

私の帯を結び始める。




この頃彼はこの手のことが上達しすぎている。


気づかないふりをしてきたが、

やはり見過ごせるものではなかった。




隣を歩く際の

さりげないエスコート。

 



たまに香までつけるようになり、


繁華街へ行った際の、

さりげない手土産も最近は欠かさなくなった。




これは私の勝手な憶測、というよりも

女の勘なのだが、


彼に ”想い人” ができたのか

それとも、性風俗に行くことを覚えたのか、


この二択のどちらかであるに違いないと

確信を持っていた。






いずれにせよ私には無関係なことではあるが、

一番近い距離で彼を眺めていたので

どうしてもわかってしまうのだ。





彼も彼で

大人の男性になっていくわけで


それは誰にも止められない。





そんなこと、10年前からとうにわかっていた。





わかっていたはずだったのに。







その後問題なく私の帯を

綺麗に結びおえると、


彼は珍しく、疲れたように笑った。






杏「……俺は頼りないだろうか」







突然の彼の声音に思わず

え?

と聞き返す私だった。





何を言い出すかと思えば、

いつも以上に意味深な発言である。





見上げても、

そこにはまたいつも通りの

張り付いたような笑顔があるだけだ。





月を見上げたままのその端正な横顔、


私を見てはくれない。


私は小さく息を吐き、

満月を睨みつけた。







何もかもをこの満月のせいにしたくなる、

そんな夜だった。

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設定タグ:鬼滅の刃 , 煉獄杏寿郎 , 宇髄天元   
作品ジャンル:恋愛
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まるまるもりもり(プロフ) - さねみん推し(だが渋い槇寿郎も好き)さん» たしかにそうですね!そうすぎますね!!!!!書き直させていただきます!的確なご指摘本当にありがとうございます(TT) (2021年3月14日 11時) (レス) id: 1253c02f70 (このIDを非表示/違反報告)
さねみん推し(だが渋い槇寿郎も好き) - すいません・・・「エピローグ」の所、物語の最初なので「プロローグ」の方がいいんじゃ・・・(^_^;) (2021年3月14日 6時) (レス) id: ff085d1bee (このIDを非表示/違反報告)
まるまるもりもり(プロフ) - 凪子さん» 凪子さん、素敵なコメントありがとうございます^ ^ そうですよね!煉獄さんは身分差は気にしない素敵な人ですよね(*^^*) 凪子さんにもっと楽しんでいただけるように、頑張ります!! (2021年3月13日 23時) (レス) id: 1253c02f70 (このIDを非表示/違反報告)
まるまるもりもり(プロフ) - 衣世さん» 衣世さん^^コメントわざわざありがとうございます!とても嬉しいです(^-^)ハッピーエンドになるように頑張りますね!! (2021年3月13日 23時) (レス) id: 1253c02f70 (このIDを非表示/違反報告)
凪子(プロフ) - 身分の差…煉獄さんは気にしないと思いたいです!展開を楽しみにしています(^^) (2021年3月13日 8時) (レス) id: 33c3d87eb8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:わたあめ | 作成日時:2021年3月12日 20時

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