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ーAsideー
A「…溝口じゃないの?」
辿々しい記憶をたぐり寄せ
杏寿郎から聞いた名前を口に出すも、
宇髄に盛大に笑われる。
炭「かっ、竈門です!!
竈門炭治郎です!!!」
背に木製の箱のようなものを背負う青年が
必死そうに声を大にしてするのだから、
そうなのだろう。
杏寿郎が人の名前を間違えることは
今に始まった事ではない。
確かに彼からは聞いていた。
柱合会議で話題になったと。
ようやく抱き抱えられた宇髄の太い腕から
私は降ろされる。
焦り散らかした自分を
何とか取り繕いながら
私は彼からそっと離れる。
武器がないことに困惑した、
無鉄砲な自分よがりの策だった。
きっと杏寿郎が居れば
注意されたに違いない。
私は今の自分の言動を情けなく思い、
一人、内省するのだった。
宇「良いねぇ!!
戦い方が派手で!
お前が宙を舞ってるのを見ると、
いつも鷹なんかを思い出すもんだ」
肝心の武器は今日はないみたいだがな、
と、屈託のない笑顔でそう続けた彼の、
耳元に垂れる宝石が眩しい。
反射的に目を背けると
今度は、
隣でその何倍も輝く青年の瞳と目が合った。
千寿郎と同じ年くらいだろうか。
優しい瞳をしていた。
炭「……鬼殺隊の精霊 …」
ぼんやりと私を眺めた後、
炭治郎がそう言うので
その隣の宇髄が嬉しそうに反応する。
宇「そーそっ!
コイツがさっき話した鬼殺隊の精霊。
派手な肩書きだ」
『鬼殺隊の精霊』
うつつを抜かしたような名前だが、
これが鬼殺隊内で密かに広がる、
私の呼び名であった。
鬼殺隊に所属しているわけではない。
ただ、時たまにやってきては
凄まじい速度で鬼の頸を切り刻む。
間接的に、助けられた隊員もいたのだろう。
その場所が森だったのかは知らないが、
私の華奢なこの身体も相まって
気づけば、
隊内で密かにそう呼ばれるように
なっていたのだった。
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まるまるもりもり(プロフ) - さねみん推し(だが渋い槇寿郎も好き)さん» たしかにそうですね!そうすぎますね!!!!!書き直させていただきます!的確なご指摘本当にありがとうございます(TT) (2021年3月14日 11時) (レス) id: 1253c02f70 (このIDを非表示/違反報告)
さねみん推し(だが渋い槇寿郎も好き) - すいません・・・「エピローグ」の所、物語の最初なので「プロローグ」の方がいいんじゃ・・・(^_^;) (2021年3月14日 6時) (レス) id: ff085d1bee (このIDを非表示/違反報告)
まるまるもりもり(プロフ) - 凪子さん» 凪子さん、素敵なコメントありがとうございます^ ^ そうですよね!煉獄さんは身分差は気にしない素敵な人ですよね(*^^*) 凪子さんにもっと楽しんでいただけるように、頑張ります!! (2021年3月13日 23時) (レス) id: 1253c02f70 (このIDを非表示/違反報告)
まるまるもりもり(プロフ) - 衣世さん» 衣世さん^^コメントわざわざありがとうございます!とても嬉しいです(^-^)ハッピーエンドになるように頑張りますね!! (2021年3月13日 23時) (レス) id: 1253c02f70 (このIDを非表示/違反報告)
凪子(プロフ) - 身分の差…煉獄さんは気にしないと思いたいです!展開を楽しみにしています(^^) (2021年3月13日 8時) (レス) id: 33c3d87eb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:わたあめ | 作成日時:2021年3月12日 20時