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無感情71 ページ23

Aside





和「当事者じゃねぇからそこまで言えねぇが、初代とその刀との間には切っても切れない何かがあるってことか」


和泉守さんのその言葉に、乱は頷きを返す。


乱「ボク達の殆どはあの人の死を受け入れたけど、山姥切さんはそうじゃなかった。ただそれだけなんだ。
それだけだったのに…」


『…それ程、山姥切さんにとって初代の方は、大事な方だったんですね』


乱「主さん…うん、そうなんだ…」







こう言ってはあれだけれども、闇堕ちしかけるほどその人の事を思えるのは、むしろ良いことだと、私は思う。


私の場合は、そうもいかなかったから。


あの人達が亡くなったことに対して哀しむより、嘆くより、咽び泣くより先に、心が死んだ。


いや、死んだとまでは言わないかもしれない。
あくまで忘れただけであって。
けれど起伏が殆どないのは自分でも分かる。




どちらにせよ、山姥切さんは、私ができない事が原因で闇堕ちしかけている、ということ。
不謹慎なことは自覚しているけれど、贅沢だと思った。










『小夜左文字さんの破片は、誰が持っていらっしゃるんですか?』


乱「確か同じ左文字派の人達が持っていた筈だけど…」


誰かが持っているなら、その元を訪ねたらいい。


乱が山姥切さんの話をしていた時、その表情は微かながらも歪んでいた。
本当に微々たるものだったから、本人は無意識のうちなんだろうけれど。





加「…ねぇ、主はさ、分かってる?」


『何を…?』


不意に清光にそう聞かれたけれど、清光が何を指しているのかは分からない。


加「闇堕ちした、もしくはしかけている俺達(刀剣男士)を相手にすることがどれだけ危険かってことを」


『それは…分かってはいるつもり』


堕ちた神がどんなものなのかは、分からない。
けれど、危険じゃないかと聞かれたら間違いなく否。
それぐらいなら、私も分かっている。



加「まぁ主のことだし言っても聞かないんだろうけどさ。
お願いだから、無茶な事だけはしないで」


『…うん。分かった』


約束はしない。
守れる保証はどこにもないから。


清光もきっと、分かってて私に言っている。
約束と掲げて言ってこないから。









 









闇堕ちがどんなものなのかは、分からない。
ただ神が堕ちかけている、という漠然とした事ぐらいしか。


だから私に何が出来るかは分からないけれど、出来る限りのことはしようと思う。


それが、私の務めだから。





 

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設定タグ:刀剣乱舞 , ブラック本丸   
作品ジャンル:アニメ
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琴葵(プロフ) - 面白くてイッキ見しました!!!!!!!!!!!!!!更新応援しております!!! (2019年12月26日 10時) (レス) id: 35f7e92960 (このIDを非表示/違反報告)
まと(プロフ) - はじめまして。とても面白かったです!更新頑張ってください! (2019年8月8日 21時) (レス) id: 0ae277004f (このIDを非表示/違反報告)
詩月(プロフ) - レモンさん» レモンさん、初めまして!有難うございます!そう言って頂けて嬉しい限りです´`* (2019年1月30日 18時) (レス) id: 47903b2cc4 (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - 初めまして、最初から読みました、とても面白かったです (2019年1月30日 16時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:詩月 | 作成日時:2019年1月27日 0時

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