無感情68 ページ20
No.side
堀「ねぇ、兄弟。山に籠るのって…」
山伏「…拙僧が折れたのは、拙僧が弱かったからだ」
堀「違う！そんなわけ…！！」
山伏「だから拙僧は、山に籠り修行を重ね、もう折れることがないようにしようと思う」
堀「っ………！」
そんな会話が、ある一室で交わされていた｡
堀「兄弟が折れたのは、兄弟が弱かったからじゃない…
前任が、兄弟に無理な出陣をさせ続けたから…」
山伏「だとしても、拙僧が折れた事実は変わらん」
堀「それは……」
山伏「…なぁ、兄弟。拙僧は、拙僧を直したあの人間は、信頼にあたる人間だと、思う」
堀「……兄弟も、あの審神者を、信じるの…」
そう言った堀川の表情は、酷く苦しげだ｡
だが、それもそうだろう｡
自身が相棒と名乗る和泉守も、やっとの思いで再会出来た山伏も、審神者＿＿A＿＿を信じると言うのだ｡
彼女のことを信じきれない堀川にとって、それは、まるで置いていかれているようで｡
それが、堀川は、酷く辛い｡
山伏「うむ。拙僧は、あの審神者を、信じようと思う｡
だが、兄弟があの審神者を信じていないのは拙僧も理解している」
堀「だったら…！」
山伏「そう思い詰めるな、兄弟。兄弟には兄弟なりに思うことがあるのも分かっている｡
だからこそ、拙僧は、兄弟は自分で答えを見つけて欲しいと思っている」
堀「答えを見つけるって…」
山伏「そのままの意味だ、兄弟」
そこで、2人の会話は終わった｡
山伏「主殿」
『山伏さん』
堀川と別れた後、Aの元を訪れた山伏｡
彼が話を切り出す前に、彼女の方から、口を開いた｡
『良かったんですか？私を主と呼んで…堀川さんといなくて…』
山伏「拙僧は、主殿は前任のような人間にはならないと、信じている｡
それに、兄弟には、1人で考える時間も必要であるからな」
『そうですか…』
彼女を信じる、と、そう言った山伏｡
彼とて、前任に手酷い扱いをされていた1振りだというのに｡
まるで、疑うことを知らないよう｡
そんな彼が、彼女には、酷く遠い存在のような、そんな気がした｡
山伏「拙僧が山に籠り修行をしようと思ったのは、兄弟に1人で考える時間を作りたいからであり、主殿を守るだけの力が欲しいからである」
『…態々私のために、有難うございます｡
いつでも、ここに戻ってきてくださいね』
山伏「カッカッカ！あぁ、拝命した！
これからよろしく頼む、主殿」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1024人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「刀剣乱舞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
琴葵(プロフ) - 面白くてイッキ見しました！！！！！！！！！！！！！！更新応援しております!!! (2019年12月26日 10時) (
レス) id: 35f7e92960 (このIDを非表示/違反報告)
まと(プロフ) - はじめまして。とても面白かったです！更新頑張ってください！ (2019年8月8日 21時) (レス) id: 0ae277004f (このIDを非表示/違反報告)
詩月(プロフ) - レモンさん» レモンさん、初めまして！有難うございます！そう言って頂けて嬉しい限りです´`* (2019年1月30日 18時) (レス) id: 47903b2cc4 (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - 初めまして、最初から読みました、とても面白かったです (2019年1月30日 16時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：詩月 | 作成日時：2019年1月27日 0時
