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無感情64 ページ16

No.side





乱「お待たせ、主さん」


『有難う、乱』


乱「どういたしまして」


粥を作り終えた乱が、その手に粥の入った鍋を乗せたお盆を持って戻ってきた。


それを受け取って暫くして、けれど、Aは中々手をつけずにいる。
乱は主さん、食べたくないのかな、と不安に思ったが、それは杞憂に終わる。


加「主、食べないの?」


何故なら


『あ…ちが…その…』


加「ゆっくりでいいよ。話してみて」


『…私、何か食べてもいつも吐いてたから…だから…』


彼女は、自分でも気付かないうちに、何かを食べるということに恐怖心を抱いているからだ。


勿論、彼女の言ったことを訝しく思うのがほとんどだ。


何故食べていなかったのか。
何故食べても吐いていたというのか。


俺達は、主について知らないことが多過ぎる、と、全員がそう思わずにはいられなかったそう。







安「ね、主。今ここには主に害を為すやつなんていないからさ、安心してよ」


和「安定の言う通りだ。それに例えあんたを主と認めていなくても明確な殺意を持ってないやつだけだろ?
なら何も不安になる必要はねぇ」


彼らは、彼女が自分から話をしてくれるまで待つようで。
深くは聞かずに、彼女に言葉をかける。


加「2人もこう言ってるし、安心していいよ」


乱「主さん、匙貸して」


『?うん…』


何を思ったか、乱は彼女の手から匙を借りる。


受け取れば、鍋の中の粥を掬い、それを彼女の口元にやった。
所謂あーん状態だ。


加「乱…?何やってんの…?」


乱「せめて1口だけでも主さんには食べて欲しくて。
でも、無理だったら大丈夫だよ、主さん」


眉を下げながら笑んだその顔を見て、彼女は口元にあった匙を口に入れ、粥を食べた。


乱「どう…?」


『美味しい…』


乱「そっか…!良かった…」





あれから、自分でも粥を食べたA。


『ごめんなさい…乱…』


乱「気にしないで、主さん。ずっと食べてなかったんだったらあまり食べられなくても仕方ないから」


『うん…』


会話の内容から察せるように、彼女は粥を全部食べられなかった。
もっと言えば半分も食べられなかった具合だ。


加「ゆっくりでいいよ、今は」


和「無理したところで元も子もないからな」


2人のその言葉に、乱も頷くのだった。









 




安「堀川はさ、どうするの?」


堀「何がですか?大和守さん」


安「それでしらばっくれるつもり?
僕が言わなくても分かってるよね」





 

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設定タグ:刀剣乱舞 , ブラック本丸   
作品ジャンル:アニメ
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琴葵(プロフ) - 面白くてイッキ見しました!!!!!!!!!!!!!!更新応援しております!!! (2019年12月26日 10時) (レス) id: 35f7e92960 (このIDを非表示/違反報告)
まと(プロフ) - はじめまして。とても面白かったです!更新頑張ってください! (2019年8月8日 21時) (レス) id: 0ae277004f (このIDを非表示/違反報告)
詩月(プロフ) - レモンさん» レモンさん、初めまして!有難うございます!そう言って頂けて嬉しい限りです´`* (2019年1月30日 18時) (レス) id: 47903b2cc4 (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - 初めまして、最初から読みました、とても面白かったです (2019年1月30日 16時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:詩月 | 作成日時:2019年1月27日 0時

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