【刀剣乱舞】無感情＝無機質少女 弐

無感情50 ページ2

堀川side





折れた大和守さんが僕のところに来た時は、本当に驚いた


折れた刀が直るなんて話、聞いた事もなかったから


そんな大和守さんが、新しい審神者なら大丈夫だと、そう言った


別にあの審神者を信用したわけじゃない


でも、こうして大和守さんは直された


他の誰でもない、この本丸に新しく来たあの審神者に





そのことを再認識したら、あの審神者に縋りたくなった


もう二度と会うことは叶わないと、諦めていた


けれどもう一度、兼さんと兄弟に、会いたかった





あわよくば、もう1人の兄弟とも………









　









審神者に問答無用で手入れをされた


後々話を聞けば、霊力の量の関係上手入れ等で霊力を使った日は折れた刀を直すことができないということが分かった


また、1日の間に直せるのは1振りだけだとも


だったら尚更僕を手入れせずに折れた刀を直して欲しかった


あの審神者曰く『折れた刀を直してその方がもう一度顕現した時に、貴方が傷だらけだったら、直された方はどう思うと思われますか？
私は、直された方は " 何故自分だけ " と思うと思いますね』らしい


兼さんや兄弟にそんな思いをさせるのは僕としても得策ではなかったから、仕方なく手入れを受けた


本っっっ当に、仕方なく


それが昨日の話








安「それで堀川は先にどっちを直してもらうの？」


堀「正直なところ、2振り一緒に直して欲しかったんですけどね…」


加「流石にそれは主でも無理だからね…」


『面目無いです…』


堀「まぁ、直してもらう立場としてそこまで言ってられないですからね。

…兼さんから、お願いします」


そう言って、僕がずっと持っていた和泉守兼定の破片を審神者の前に差し出す


堀「兼さんは、出陣中に僕を庇って折れた…」


『…思い出させてしまって、すみません』


それだけを言い、僕に頭を下げる審神者(人間)





正直、頭を下げられて拍子抜けした


今までの審神者は、僕達(付喪神)をモノとしか考えていなかったから





『それでは、直させて頂きます』


そう前置きをして、兼さんの破片を元の形に近い配置に並べた審神者


並べ終わると、掌を破片に向けて、何かに意識を集中させる


すると、沢山の霊力が審神者から溢れ出した


離れて座っている僕が、感じ取れるほどの霊力


それは、全て兼さんの破片に注がれている


これ程の量を必要とするんだ。折れた刀が直ると聞いた事がなかったのも頷けた




　

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