振り回される ページ23
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「とりあえず後は俺と北山で運ぶから、お前は先戻れ。」
藤ヶ谷さんは私を邪魔者みたいに手をひらひらと振って、資料室から追い出してきた。
「あ?なんでだよ!せっかく来てもらったのに!」
何だかぷりぷり怒ってる北山さんを見て、思わず吹き出しそうになってしまう。
「いいんですか?任せちゃって。」
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「いい。そもそも他のやつ手伝ってる暇ないだろ。」
ぶっきらぼうにそれだけ言って背を向けてしまった。
あれ?なんか怒ってる?
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「……すみません。」
そのままとぼとぼと部屋に戻った。
私が入れたコーヒーはちゃっかり飲み干してある。
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もう、わけわかんないよ。
上げたり落としたり、私の感情振り回しすぎ。
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「あー!まじ重い!疲れた!」
「…うるせえよ」
しばらくして2人が戻ってきた。
北山さんは腰が痛いだの手が真っ赤だのギャーギャー騒いでる。
それに藤ヶ谷さんはすっごい冷めた顔で適当に相槌を打っていた。
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なんかいいなあ、あの2人。
正反対って感じだけど。笑
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「うわ!資料室の鍵かけんの忘れた!!」
北山さんは部屋を飛び出して行ってしまった。
「……ったくまじであいつ年上かよ。」
「ふふふ。なんか仲良しですね。」
「あいつと高校の時から知り合いだから、先輩扱いとかできないんだよね笑」
「そうなんですか!?」
どおりであの分かり合えてる感醸し出してたのね。
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「……あのさ、」
気づいたら急に藤ヶ谷さんが改まった顔してこっちを見てた。
「どうしました?」
めずらしくなんか落ち着きがないって言うか、少し動揺してるように見える。
「その、さっききついこと言って、ごめん。」
____他のやつ手伝ってる暇なんかないだろ。
さっきのあれ。気にしてくれてたんだ。
「全然。しかもその通りですよ笑」
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「俺、なんかやだった、」
「え?」
「Aが北山について行くの見た時。」
私の頭に藤ヶ谷さんの手が触れる。
藤ヶ谷さんが私に触れたのはいつぶりだろう。
もう忘れていたはずの、藤ヶ谷さんの香り。
私をまた、いとも簡単に虜にさせる。
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ぱん(プロフ) - 桃色さんさん» 藤ヶ谷くんとそんなことになったら眠れませんよね笑(*゚∀゚*)続きもよろしくお願いします!! (2020年1月27日 7時) (レス) id: a126447306 (このIDを非表示/違反報告)
桃色さん - 結婚したら毎日こうなるのかな?と思ったら自然と笑みがこぼれたりしますよね。あんな事やこんな事とか。また幸せが続くといいですね。続き待ってます。 (2020年1月27日 0時) (レス) id: f0b607ac31 (このIDを非表示/違反報告)
ぱん(プロフ) - 桃色さんさん» コメントありがとうごさいます…!ぜひこれからの展開も楽しみに読んでいただけれたらと思います(*´∀`) (2020年1月20日 16時) (レス) id: a126447306 (このIDを非表示/違反報告)
桃色さん - いい話しですね。忘れられない、けど何か思い出してしまう。そんな切ない感じの、私も気持ち分かりますし、好きですよ。続き待ってます。 (2020年1月20日 0時) (レス) id: f0b607ac31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Nanami | 作成日時:2020年1月12日 23時