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樹「なあ女。」
「…2、3日会わない間にもう苗字忘れました？」
あの日、先輩は朝になったら消えていた。
ほらやっぱり鍵あるんじゃんと思いながら重い体を朝起こした。
そして何事もなく、会うこともなく時間は過ぎて
忘れかけていたのに、駅のホームで３限からある今日会った。
樹「いーじゃん、それよりきいてくれよ」
「良くないですね。私は女ですけど女は山ほどいます」
樹「この世に？それとも俺に？」
「どちらもです。そういう男は嫌ですね」
樹「いねえよ？いやだからていうかきいてくれって」
「なんですか」
樹「女。」
「はい」
樹「金貸して」
「…………先輩」
樹「やめろやめろ先輩っていうなまるで男の先輩が女の後輩に金せびってるみたいじゃねえか」
「なにか間違いでも」
樹「電車でさあ爆睡してたら財布ス られたんだよね」
「それは大変そうですね」
樹「他人事だな」
「他人ですから」
樹「わあドライ。俺の全財産がさあ」
「……全財産って…大金じゃ…」
樹「…さ、300円……」
「小学生にしたら大金ですよ。」
樹「気遣いで心えぐられたよ。
ていうか黄色い線出てるんじゃないよあぶねえよ」
「…あ」
私は1歩後ろに下がった。無意識だった…
樹「…飛び 込みはまずいだろ。」
「え？飛び 込み？」
樹「ここで死ぬのは自由ですが遅延したら俺の単位危ないんだわ。その1歩が数万人の恨みを買い、迷惑 行為となるんだぜ？俺の遅刻は1割それが原因だからな」
「9割は」
樹「寝坊」
「なんか可哀想」
樹「やめろやめろ。賠 償金やらめんどくせーよ？俺だったら嫌だわ金ねえし」
「ニコ チン摂 取しなければ金溜まりそうですけどね」
樹「誰がニコ チンセク シーキングだ」
「セク シーキングじゃありません。ニコ チン男爵です。」
樹「ネーミングセンスないなお前」
「ちなみに私はある生き物の名前を髭男爵と呼んでいます」
樹「茶色いアイツたべ。俺とそいつを同レベかと思っとんのか」
「まあ」
樹「まあってなんだよ。
ま、そのなんだ、ニコチンで生きてる奴が言ってんだよ。グ ロく死ぬなって」
「痛いから？」
樹「想像するだけでな。
ゲームはまだしも他じゃ体バラバラとかいやじゃん。
そーゆーの感情移入するから
俺お前がバラバラで死んだら、俺はお前に感情移入して死ぬよ」
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作者名：嶺 | 作成日時：2022年5月23日 15時
