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樹「人生落ちてばっかりだよ。俺の給料とかな
だからさ美女。
くだらねえ事する前に俺と大恋愛してみねえ？」
「……は？」
樹「マジトーンやめろよ。美女」
「初対面の人に女好きが告白私もしかして遊びの1人になる予定ですか？嫌です」
樹「なにいうてまんねん」
「見るからにチャラそうだし」
樹「俺だって好きな女くらいいるっつーの。
そいつは死にそうな顔してて飛び降りようとしてるただの美女。下から見たらスカートからパンツ見えるかなと思ったけどまあ遠すぎて見えねえけどさ近くにきたら単にすげえ綺麗だと俺は思ったよ」
高鳴った自分がいた。
少しだけ弾んだ自分がいた。
樹「俺が変えてやるよ。だから生きるのを諦めんな」
私を軽々と持ち上げた細い腕。
煙草を吐き捨てて、靴で踏んずけた。
輝かしいその笑顔は私とは正反対だった。
樹「＿＿大学教師学部3年生の俺がお前に正しい生き方指導してやるよ」
「じゃあ先生。」
樹「まだ違うけどな」
「禁煙してください」
樹「空気読めよ美女。」
「あと私同じ大学の2年生です。」
樹「学部は」
「建築です。」
樹「大学の後輩かよガチかよ。こんな美女しらねえよ恥ずかしい。俺大学では年上好きで通ってるからそこら辺宜しく」
「私は別になにも了承してませんけどね」
樹「かわいくねーーーーー。」
まんまと嵌められた。
揺らいだ私は死ぬことは出来ず、軽々と持ち上げられて屋上の柵内へ。
樹「死にたい理由は？」
「………」
樹「じゃあ生きたい理由は？」
死にたい理由はある。けど生きたい理由なんて
「……先輩が生きる理由教えてくれるんでしょ？」
樹「……………ふは、だーーーーーーるっ、
可愛いの？可愛くないの？どっちなの？Aチャン」
「きもい。」
樹「可愛くないね、はい了解」
「そろそろ帰りますね」
樹「おいこら待て美女。」
「……久世です。この顔は偽物なので、美女じゃなです」
大嫌い。
どうせ男はこのニコチン男爵も私の顔しかみてないんだから
樹「ふうん。じゃあ久世」
「なんですか、先輩」
樹「俺一人暮らしなんだよね」
「？私もですよ」
樹「鍵失くしたから家泊めてくんね？」
「…は？」
樹「俺の為に死ぬのは今日じゃなくて明日にしてくれよ」
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作者名：嶺 | 作成日時：2022年5月23日 15時
