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蓮「なんだ、泣いてると思った」
「いたの？」
蓮「ふは、泣くかなって思って」
「ばーか」
私の腕をひいて校舎裏に誰もいなくて静か
蓮「誰も見てない？」
「…うん、平気」
人を好きになる気持ちは
本当はもっと切実でぐちゃぐちゃで
諦めようとしても諦められない。
「……んっ、」
蓮「…ん、」
「ちょっと、苦しい、」
蓮「黙って」
そういうものだ
深く、深く、彼と唇を重ねれば息が詰まる。
私たちは付き合っている。
誰がどう見ても、理想のカップルでお似合いのカップル。
「………お兄ちゃん…」
蓮「……遥さん、」
けど私たちには好きな人がいる。
お互いがお互いのかけがえのない恋人で
お互いがお互いの…幻想にすぎない。
「……お兄ちゃん、大好き」
蓮「……遥さん、好きです」
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作者名：嶺 | 作成日時：2022年2月4日 23時
