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ラウール「……佐野さん、…」
「ん？」
ラウール「…ごめん、変なこと言って」
「…………いいよ、もう」
ラウール「うん、でも…」
「……別に私は代わりとして扱ってない。
どうせ佐久間が意味わからないこと言ったんでしょ？」
ラウール「……いや、というよりなんとなく…で」
「誰だってやだよ。友達とられたら
私だって嫌だもんだからいいよ」
ああ、笑ってる…のに笑っていない
冷たい目、少し低い声、
なんとも思ってないよみんなすました顔が今の俺には余計怖く感じた。
蓮「……A……って…なにしてんの、？」
廊下で2人で話してたらめめが気づき佐野さんに声をかけた。
目の前には俺。
彼女と自分の友達が2人で話しているのは普通は嫌だよね
蓮「……えーと……Aは俺のだよ？」
ラウール「わ、わ、わ、わかってるよ！！！？
じゃあ佐野さん！！そういう事だから！ごめん！」
蓮「……え、なにが？」
「あー……わかんない」
蓮「……機嫌直った？」
「うん、まあ」
蓮「じゃあ今日俺ん家来てよ、誰もいないから」
「………うん」
そんな会話を聞いてしまったのは内緒。
"お互い別の人が好きなんだよ！"
ああ、そうだ
どっかで期待してたんだ
なんだよ、めめ……全然佐野さんのこと好きじゃん
佐久間くんの言葉一瞬でも鵜呑みにした自分が馬鹿だったや
ラウール「……だめじゃん」
立ち入る隙なんてあるわけない
ラウール「……馬鹿だなあ、俺」
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作者名：嶺 | 作成日時：2022年2月4日 23時
