本懐《黒》 (ページ4)

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「……蓮」

蓮「おはよ」

駅で待ち合わせている毎日。

電車を待ちながらホームで肩を並べて話す。

周りから見られるのは慣れている。

俺たちは誰もが羨む理想なカップルに見えているんだから

俺はともかく俺の隣にいる彼女は本当にうつくしい。

色白で透き通った肌、細くて長い手足に短いスカートと第1ボタンを開けたブラウスが彼女のボディラインを美しく強調させていた。

身長も高くて185ある俺とも低すぎず違和感のない並びだ。

「……って、蓮きいてる？」

蓮「ん？」

「今日の放課後！クレープ食べに行こうよ」

蓮「ああ、康二が言ってた新作の？」

「そこのクリームブリュレクレープが食べたい」

蓮「……ふはっ、相変わらずだな」

頭を撫でれば頬を染めらす。

恥ずかしくなって俺も少しだけ緊張が走る。

「……あ、今日"お兄ちゃん"の授業あるんだ！
ねえメイク変じゃない？！まつ毛あがってる！？」

蓮「……うん余裕。Aは美人なんだよ大丈夫」

そう言って頬を伸ばすとほっぺたが少し赤くなる。

蓮「………ふはっ、大丈夫だよ可愛いから」

"片思い"

"報われない恋"

"切ない恋"

それってそんなに美しいものなのだろうか。

少なくとも

"俺たちはそうとは思わない"