本懐《黒》 (ページ18)

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ラウール「めめー？」

蓮「…………うん、俺クズだわ」

俺もAもきっとどうしよもないんだと思う。

選んだ道がくだらなくて、今更笑えてくるくらい

けど今もあの時も必死なんだ。

自分を見失わないように

あの日、体に触れた時に遥さんから連絡があった。

"明日、久しぶりに家にお邪魔するね！
久しぶりに勉強みてあげるから(*^^*)"

たしかそう連絡があったんだ。

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「……やめる？」

蓮「え？」

「別に辞めてもいいんだよ」

Aのはだけたブラウス。

自分のかけた手をゆっくりと離した。

蓮「……やめたい？」

「……この先、こういうことはやめる？
あの女と思えないよね、もう今の連絡で」

蓮「…………いや」

「……そう？」

"やめる"

"やめない"

俺はどちらも口に出すことは出来なかった。

体が彼女を欲しがっていた。

遥さんのメールで一瞬揺らいでしまったから

突き放せなかった

Aがなっている遥さんを…ではなく

遥さんになろうとしているAを

本当はふざけていただけ。

けどそれが本当にやめられなくなってしまった。

蓮「………………ん？」

ラウール「もうなにさっきから百面相して」

蓮「ひゃくめんそう？」

ラウール「……もう、、佐野さんと遊ぶのもいいけど、勉強しな。百面相だよ！」

蓮「…んーごめん」

自分の揺らいでしまった気持ちに、俺は気づかないフリをした。