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深澤「やっぱ手料理っていいよなあ」
「お兄ちゃんも料理はするでしょ」
深澤「俺は誰かが作らないと出前〜
それにAママご飯美味しいし」
"誰か"はって誰？
もう作ってくれる誰かがいるの？
「……いつでもうちきてよ、今度は私も手伝う」
深澤「そうだなAのご飯も楽しみだ〜
あーあ俺も……」
そこでお兄ちゃんは言葉をやめた。
"俺も早く結婚したいな"て言おうとしたんだよね。
お兄ちゃんが中学生の頃毎日のようにきいてた口癖。
"素敵なお嫁さんが欲しい"とか言わなくなった。
最近まったく言わなくなったのは
お兄ちゃんにとって、具体的な相手が現れたから？
頑張ってお兄ちゃんにつりあおうとしている私
お兄ちゃんは見えてる？
朝が苦手な私が毎朝メイク頑張って
伸ばしてた髪だって短くきった。
お兄ちゃんがギャル好きって言ってたから服の系統だって変えた。
お兄ちゃん………私は見えてる？
深澤「そーいや駅前のラーメン屋知ってる？」
「知ってるよ」
深澤「食べた？」
「お兄ちゃんと食べたいから行ってない。」
こうやって頑張って可愛いこと言ってもお兄ちゃんはわかってくれない。
深澤「んーでももう教師と生徒だからなあ。
生徒と行ったらクビになっちゃうなあお店は」
「………そっか、そうだよね」
深澤「そういえばおばさんと仲良くやってる？」
「見ての通りだよ」
深澤「はっは！愛情の裏返しか〜
うちは母ちゃんいねえから羨ましい」
「……私はお兄ちゃんのお父さん優しいから…
いつも私にお菓子くれるし、お出掛けとかお兄ちゃん羨ましい。お母さんずっと忙しいから」
深澤「……ふはっ、じゃあ俺とAは
どっちも羨ましいものもってるからお互い寂しい時に助けてあげられるね」
「……ふは、なにそれ〜」
ああ、泣きそうだ。
どうしてお兄ちゃんは私をこんなにも好きにさせるのかな
どうしていつも伝わってくれないの
深澤「じゃあまた明日学校でな。
腹出して寝るなよー」
「うん、バイバイ」
ああ、お兄ちゃんの
……………嘘つき
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作者名：嶺 | 作成日時：2022年2月4日 23時
