六つの仮面、六つの本性【トモダチゲームR4】 (ページ32)

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「俺がどうしてルールを破って喋ったか、教えてやろうか？俺の問題用紙に書いてあったんだよ。——ルール変更の内容が」

マリアは眉をひそめた。ルール変更なんて、あっただろうか。とりあえず、友一の話を聞くことを選ぶ。

「ゲームでクリアできなかった場合、全員分の借金を全部背負うのは、その時点での借金額が一番少ない者だって」

あからさまな、五人の動揺。

マリアは振り向き、布袋に訊く。

「そんなこと書いてましたっけ？」

「もちろん、嘘だ」

「そうか〜、この挑発に乗って今喋れば、自分の借金額が他のヤツらよりも少ないことを自白することになんじゃん」

火室の解説に、如月と「あぁ〜」とうなずいた。

今何か喋れば、火室の言う通り、借金が少ないことを自白、そして自ら裏切り者だと言うようなもの。だから、口を開けない。

「自分を餌にして、罠を張ってるってことだ」

布袋の言葉にもうなずいてから、もう一度、画面に注目する。

場の雰囲気は最悪だった。

ジリッ、ジリッ、ジリッ、ジリッ、ジリッ、ジリッ……。空気が張り詰めていて、爆発してしまいそうだ。

不意に、友一が「ふふっ……」と笑った。

「なーんてな！冗談だよ！お前らがあまりにも暗い顔してるから、空気変えたかったんだよ。この中に裏切り者なんかいるわけない。俺はそう信じてる」

「さあ」と友一は手を叩き、「ゲームに戻ろう」と仕切りをつける。

「俺たちはこれからも、ずっと友達だよな。YESに決まってるよな？ ——よな！」