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「ってかさ、金盗んだの、志法と四部なんじゃね?」
あの話の後の休み時間。机に集まり、男子たちがそんなことを言い合っていた。
「確かに」「だよな」「アイツら人のこと言えなくね?」と喋っている男子たちに、根拠もないくせに、と内心思っていると、一人の男子生徒が口を挟む。
「そうかな?」
美笠天智。学年トップの天才。勉強だけじゃなく、理論派で調整能力も天才的。かなり頼れる友達。
「四部が金を盗むようなセコいことするか? 金持ちのボンボンだぞ。志法にしたってそうだよ。正義の権化みたいな人間が盗むか?」
「そうだよ」
冷静に述べる天智に、ある女子生徒が賛同する。
心木ゆとり。口数は少ないが、優しい子だ。漫画好き。昔は虐められていたが、もうそんなことはさせない。だって、大事な友達だから。
「私は友達だから信じる」
「右に同じく。僕も、あの二人が犯人だとは思わない」
さらに、賛成する男子生徒が一人。
織田A。本の虫で、読解力は凄まじい。困っている人を見捨てない性格で、頼もしく、大切な友達だ。
「ね、友一もそう思うでしょ?」
微笑んで同意を求めるAに、友一は応じた。答えなんて決まっている。
「もちろん、当たり前だ」
あの二人が、金を盗むなんて卑怯な真似をするはずなどない。それは、友達だから分かるし、断言できる。
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作者名:momonoha | 作成日時:2022年8月24日 18時