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「第六問。出題者は心木ゆとり」
画面の中で、マナブが言い放つ。マリアたちは相変わらず、ディスプレイから目を離さないで監視を続けている。
「六問目は、これまでの問題とは違う！ むしろ、今の奴らにとっては、特別な問題に聞こえるだろう」
後ろで歩き回りながら、布袋が抑揚のある声を出した。
「しかも、借金減額とは書かれていない」
「つまりぃ、クリアしなければ、織田Aが最下位！？」
「そうなるわな」
Cグループの人間からしたら、ゲームオーバーなど大変な事態だが、布袋の発言に反応した、火室とマリアは満面の笑みだった。
ゆとりが封を開ける。問題文見ても、なかなか読もうとしない。口を少し開きかけて、でも閉じてしまう。
「どうしたの。早く問題読んでよ」
急かしたマナブの方に顔を上げ、それから、五人を見回す。彼女は友一と目が合い、その視線に押され、ようやく口を開いた。
「……私たちは、これからもずっと友達だ」
「まぁ、全員が『NO』に入れたら、大爆笑だけどね！」
マナブの笑いを含んだ声。その場の六人の顔は無表情で、本当にみんな、NOに入れちゃうんじゃない！？ とマリアは口の端を持ち上げる。
ゆとりが意を決したように、サッと指を置いた。それに続き、五人も置く。
こんな質問、本当の友達同士だったら、すぐに答えが出るものなのに。六人は、みんな思い詰めた様子で、とてもYESに入れるとは考えられない。
マナブ人形が動き出す——その直前。
「ちょっと待ってくれ！」
友一が声を発した。あの五人はもちろん、マリアも、隣の如月も、目を見開いた。
——ゲーム中に喋るのは、ルール違反。借金が倍になる。しかも、二人目。
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作者名：momonoha | 作成日時：2022年8月24日 18時
