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Aは、雲が無く、水色の絵の具で塗ったくったような空を見上げて、胸の前で拳を握りしめる。

「僕、志法さんや天智くんみたいに、あんな正義感の強い人見たことないし、四部くんやゆとりさんは、心優しくて思いやりがある。みんなでいると、本当に、心の底から楽しくて、落ち着くんだ。多分、四人は僕のことを信用してくれてると思う。……僕も、信用してみる」

「ああ。きっと、あいつらも、Aのこと信じてる。心配はないよ」

「これも、友一のお陰だね」

二人で並んで歩いていたのだが、彼は少し走って、友一の前に立った。

「友一が、僕を励まして、友達になってくれたから。そうじゃなかったら、僕はずっと、心に蓋をしたままだったから。——ありがとう」

Aの改まった言葉と雰囲気に、少し笑ってしまう。

「気にすんな、友達なんだから」

「うん!」

Aも、自分を信用してくれる。無論、裏切りはしてはいけない。

  *

回想から抜けて、友一は五人の方を向く。もう、答えは出ている。

ここで友一が裏切れば、全てのリスクがどちらか一人にのし掛かる。

俺がしてやれるのは——


“YES”を選ぶことだ。


「問題。一週間は七日間である」

友一は紙を置くと、真っ先に人形に指を置いた。五人も、指を乗せる。

今まで通り、簡単な問題。「1シュウカンハ「7カカン」デアル」

人形はYESに向かって——ゲーム、クリアだ。

ウィーン、と人形が動き出す。それを見て、友一は目を剥いた。そして、希望が打ち砕かれるのを感じた。


行き着いたのは、『NO』だった……。


あ……ああ……! なんでだ!

内心で、うろたえた。友一は、間違いなくYESに入れた。それにも関わらず、NOへ向かったなんて、おかしい。おかしすぎる。

「ねえ、どうしちゃったの〜? 四問目も不正解。正解は『YES』だよ」

×が表に追加される。もう、四個目だ。

そして、誰かが、ゆとりかAに借金を背負わせようとしてる。

四部か?

志法か?

天智か?

この三人の中に——本当の裏切り者がいるのか……!?

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作者名:momonoha | 作成日時:2022年8月24日 18時

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