六つの仮面、六つの本性【トモダチゲームR4】 (ページ22)

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「第三問。出題者は美笠天智」

友一の思考は現実に帰る。

天智は、『Ⅲ』の封筒を取り、問題を取り出す。すぐに、口を開く。

「日本は英語で『Japan』である」

——「ニホンハエイゴデ『ジャパン』デアル」

問題の難易度は変わらない。こんなの、YESに決まっている。

もう、終わらせるんだ。今度こそクリアだ。きっと、次は大丈夫なハズだ。

そんな淡い期待を胸に、一番最初に置いた志法に続き、友一は指を乗せた。

六人が指を乗せて、マナブくん人形は移動を始める。

もう、誰も驚いた表情をしなかった。こうなることを予想していたのか、ガッカリした顔の者。なんでこうなっちゃうの、と不安げな様子の者。

向かうのは『NO』。

「第三問、不正解。正解は『YES』でした〜」

不正解と、テレビに映るバツ印。

顔を上げれば、他の五人が、目のやりどころに困って下を向いていたり、誰だよと睨んでいたり、今にも泣き出しそうな表情をしたり、逆に沈着な人も。

——このままじゃダメだ！誰がNOに！

みんなを見ていると、どうしても「誰だ？」と疑ってしまう。ドロドロと、心臓を侵食していく何かを感じる。心臓から血液へ、そして身体中へ。どす黒く、逆らわなければ、呑み込まれてしまいそうだ。

ダメだ、ダメだ！ ——だんだん、俺の心が……みんなを疑う心で……黒く染まってゆく！

……落ち着け。このゲームの攻略法は『友達を疑わないこと』だ。