六つの仮面、六つの本性【トモダチゲームR4】 (ページ13)

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キッチリとしたタキシード姿の男性が、六つの黒い封筒を乗せたカートを持ってくる。彼が運営側だとわかるのは、マナブのお面をつけているから。赤い作業着の人間がいる、そして天智が手当てで席を外しているので、Aたちは教室の端っこで動けないでいた。

机の上に、タキシードの男たちがせっせと設営していく。第一ゲームの準備というが、一体、何が始まるのだろうか……。

ドアが開いた。治療を受けた天智が戻って来たのだ。その場から立ち、みんなで彼の所へ行く。

「心配かけてすまん。恐怖で、どうかしてた」

「いけそうか？」

「なんとか」

「はーい、じゃあ、そろそろ始めるよ」

天智が答えると、マナブが「やっと始められる」と言わんばかりに、再び抑揚のない声を出した。

「まずは、黒板の前のそれを、左胸に着けて」

マナブが左手で指す方向を見ると、赤い机の上に、何かがあった。行ってみると、みんなの名前のプレートが六つあった。

志法が取ると、天智、ゆとりとみんなが続く。そのプレートには、カタカナで自分の名前が書かれてある。

「裏に、デジタル表示で数字が出ててるか確認して」

マナブの指示通り、ひっくり返してそれを見ると、『－3，400，000』と青い文字があった。

「マイナス330万って、これ借金ってこと？」

「クリアすれば、これが減るってことか」

「ここで注意事項。プレートの数字は、他の人には『絶対に』見せないこと」

ここで、ゆとりの数字を見ようとした四部に、ゆとりが驚き、慌ててプレートを隠した。