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「じゃあ、2000万円を仲良く6等分……あー、それだとキリが悪くなっちゃうね。四人は330万円で良いけど、誰か二人、340万円になってもらおっか。はい、友達同士、よく考えて」
「うっ……」
天智はもう一度顔をしかめて、うずくまる。「天智くん、大丈夫？」とゆとりが声をかけた。Aと四部は天智と目線を合わせて、志法も天智を気遣うように、寄り添った。
友一が「おい！」とマナブに言えば、「『マナブくん』って呼んでくれるかな」とすぐに返されてしまう。
「……俺たちは参加する」
マナブのことは呼ばず、そう言い放った。みんなは一斉に友一に視線を移す。彼は天智を指し、
「その代わり、コイツの手当てをしてくれ。それが条件だ。あと、俺が340万でいい」
「いいの、友一？」
志法の問いに、友一は深くうなずく。加えてAもマナブに言う。
「なら、あと一人は僕で大丈夫」
「すまん、A」
天智が腕を押さえ、少しAを見て誤った。Aが「ほんと、大丈夫」と首を振る。もう一人、誰が340万円を背負うか、無言の圧力で気まずくなるより、自分から名乗り出た方が気が楽だ。それに、結局返済できるなら、問題ない。
「了解！ じゃあ、みんな参加ってことでいいよね？」
六人は、不安そうな表情を浮かべながらも、首肯した。
「それじゃあ、トモダチゲーム、スタート！」
ハイテンションなマナブの声が、スピーカーを通して教室中に響いた。部屋のライトが強く光って、Aたちを照らした。まるで、ステージに並ぶ、役者のようだ。
でも、それはあながち間違いではない。これは後で知ることになるのだが——本当に、Aたちは、誰かの見世物になっているのだ。
その時、部屋のアナログテレビに、何かが映った。
Cグループ借金総額 2000万円
片切友一 340万円
沢良宜志法 330万円
四部誠 330万円
美笠天智 330万円
心木ゆとり 330万円
織田A 340万円
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作者名：momonoha | 作成日時：2022年8月24日 18時
