私の光は贋物でも【ヒロアカ×文スト】 (ページ2)

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2話ページ2

「私、有無(ゆうむ)Aって言うんだ。宜しくね」

高校生活初日、私はクラスメイトに話しかけることにした。

緑の天然パーマっぽい、ボサボサヘアーの男の子。変に気難しそうな性格の人間を選ぶより、こういう気弱な性格の人間と友人になった方が色々と楽なのだ。

「ああああ！ぼ、ぼぼ！僕は！緑谷出久って言います！！よろしくお願いします！」

女慣れしてないな、とひと目でわかるこの動揺。苦笑いで返すと、向こうはそれすらも聞いていないようで顔を真っ赤に染めていた。

緑谷出久の周りにいた麗日お茶子、飯田天哉とも挨拶を交わす。先ずはこの三人と仲良くして、しばらくしてから他のクラスメイトと仲良くするか。

いきなりクラスの中心になるべきじゃない。
こういうのは、クラスにどういったタイプの人間が居るのか観察してから、自分がどのポジションに居るべきかを判断するのが最適だ。

「入学式、ガイダンス、楽しみだねー！」

と、ニコニコと笑顔で私に話しかける麗日さん。私も笑を貼り付けて、「そうだねぇ」なんて柄でもない返事を返す。

「(ヒーロー科最高峰の雄英高校……只のヒーロー科じゃないのなら、呑気に入学式とガイダンスをしている暇があるのかどうか……)」

こういう学校は、常に合理的な考えを持っている筈だからなあ。

―――数分後、予想通り私達は入学式もガイダンスも無しで、いきなり個性把握テストをさせられることになった。