緑色さんの憂鬱 6

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渡辺Side




渡「康二、こっちきて、ここ阿部ちゃん寝かせてくれる？」




診察室の隣の入院スペースにあるベッドに誘導して、

阿部ちゃんを横向きで寝かせてもらう。




阿「あ、やぁ、やだやだ、いたいのやだ！泣」




渡「んー？"今は"点滴じゃないよ。

すぐ終わるから康二のほう向いててもらえるかなー？」




寝たことで、点滴と勘違いしたのか、

一生懸命腕を隠してる阿部ちゃん。




まあ、痛いことには変わりないのかもしれないけど。




俺が検査用の長い綿棒を取り出すと、

康二は何をするのか察したのか、苦い顔をする。




渡「阿部ちゃん、今から検査するからね。

おしり気持ち悪くなるよ。」




阿「！やだ、こわい、しない！こーじぃ、泣」




向「…阿部ちゃん、ちょっとだけ頑張ろなぁ。」




康二が手を押さえてくれている間に、ズボンと下着を下ろして、

慎重に入れていく。




阿「ったぁい！！うわぁぁん、泣」




向「偉いなぁ、すぐ終わるからな。」




足をバタバタさせて拒むけれど、なんとか検体は取れたから、

偉かったね、って声をかけて、服を戻した。




阿「こぉじ、こぉじ！泣」

向「はいはい、嫌やったなぁ、抱っこしよか。」




検査を終えた阿部ちゃんは、俺には見向きもせず

康二に手を伸ばして抱っこしてもらってる。




康二のほうが歳上な気がするけど…笑




そして、刺激で誘発されちゃったのか、またトイレに行った。




さっきより長い時間待って、戻ってきた阿部ちゃんはもうぐったり。




それでも、嫌なことした俺には頑なに目を合わせようとしない、笑




渡「阿部ちゃん、お腹痛いでしょ。これ当てときな。」




阿「…あぃあと…。」




トイレに行っている間に作っておいた湯たんぽを渡して、

なんとか機嫌を取り戻して…もらえたかな？




本当は点滴までしていきたかったけど、

そんなことしたら嫌われるのは目に見えてるし




康二が隙を見てスポーツドリンクを飲ませてるから、

とりあえずまだ大丈夫かな。

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