緑色さんの憂鬱 6

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深澤Side




解熱剤をどうしようか、ってタイミングで、

4人はみんな俺の方を見る。




いや、わかってんのよ。




何かしらの方法で解熱剤は入れなきゃいけないけど、




イヤイヤメーターMAXの阿部ちゃん、内服はまず吐き出すか、

無理に飲ませたら咽せて喘息を悪化させるだけ。




他の薬の副作用でお腹が緩いから、サポも効き悪かったんだろうし、




さっきとは違う解熱剤を入れるとなると、今の点滴と配合変化があるから、

もし入れるにはもう一つルートを増やさなきゃいけない。




暴れるであろう阿部ちゃんの血管を仕留めるなんて、無理だよな。




となると、残るは筋注しかなくて、仕方なしに指示を入れたら、




案の定「本当にやるの？」みたいな顔をされた。




筋注は注射の中でも特に痛くて、

針は垂直だし、薬液を入れるときがものすごく痛い。




だから、できれば阿部ちゃんには避けておきたかったんだけど…。




岩「筋注なら穿刺部位決めればいけるし、

案外悪くないかもな。」




渡「なるほど、準備してくる。」




筋注は腕かお尻、どちらかというとお尻の方が痛くないと言われていて、

動きやすい腕や足を抑えられれば、刺すのはそんなに難しくない。




それをいち早く理解した照と翔太が、準備をしてくれている間に、

俺は泣き喚く元末っ子に、一応説明を試みる。




深「阿部ちゃん、お熱下げる注射するからね、」




阿「っっ！やぁぁあ！ちゅしゃしない！！泣」




まあこれは想定内。

というか、最初から同意を得ようなんて思ってない。




宮「お熱高くてしんどいでしょ？

ほらほら、泣いてると苦しいなっちゃうよ。」




阿「やだ！やだやだ！さくまぁ、たしゅけて、泣」




佐「はいはい、やだねぇ。」




隣で添い寝してる佐久間に抱きついて、やだやだと首を振る。

まあ、その佐久間もこっち側なんだけどね…笑

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