緑色さんの憂鬱 5

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深澤Side




医者1年目、某日。




先輩のバックで踊っていた時に、阿部ちゃんは倒れた。




本当は朝から具合が悪かったらしくて、

でも、病院嫌いと、大事なコンサートだったってこともあって、




俺らに言えなかったらしい。




ステージから捌けるなり倒れ込んだ阿部ちゃんを、

照と舘さんで楽屋に運んで、




なんとかしなければ、と念の為持ってきた往診用バッグを開いた。




深「阿部ちゃん、酸素吸うよ。こっち向いて。」




阿「やぁ！っは、はぁ、やだ！」




佐「顔押さえるね、ふっか、やっちゃって。」




どんどん悪くなっていく唇の色。

うまくいかない呼吸。




やだやだと拒否する阿部ちゃんの頭を佐久間が押さえて、

半ば無理やり酸素マスクを当てるけど、改善しない。




深「っ、だめか。照、点滴！」

岩「うん！阿部、手借りるよ。」




阿「やだ！っﾋｭｰ、や、いたい、やぁあ！！」




照に掴まれた手を振り解いて、逃げようとするのを、

舘さんが捕まえて、翔太が腕をぐっと掴む。




岩「刺すよ、じっとしてて」




阿「やぁだ！！！いたぁい！！泣」




針が刺さった途端、阿部ちゃんがびくっと動いて、

その衝動で針が抜けてしまう。




駆血帯に縛られたままの腕からさらに血がたらたらと垂れてきて

それを見てまたパニックになってる。




宮「阿部！お前、危ないから動くなって。」

渡「もう一回しなきゃ、阿部ちゃん、痛いよ。」




阿「うわぁぁぁ！！」




もう阿部ちゃんに俺らの声は届いていなくて、

5人がかりで押さえても動き回り、手がつけられなくなった。




俺らみたいなぺーぺーの医者には、なす術がなくて、

結局救急車でいつもの病院に運んでもらって、暫く入院になった。

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