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lesson3.0 ページ5

高校2年生の初日。
私はクラス分け表を見てショックを受けた。私が今年1年入るクラスには友達がいないどころか顔見知りも1人としていなかった。


結局その後のクラス内での自己紹介で声が裏返り皆に笑われ、今もお昼休憩だというのに誰も食事に誘えず庭のベンチで1人で食べることになった。


「…………。」


(うう〜〜、朝からツイてないなぁ…。痴漢にはあうし、イケメンは見るし、友達とは違うクラスだし…。)


「はぁ……、瑛子誘いに行ったけどいなかったし…。」


私には"瑛子"という友達がいて1年生の時は毎日彼女とお昼をすごしていた。明るくて活発的な子で、人見知りで友達がいなかった私に入学早々声をかけてくれた。あの子がいなかったら私は今不登校にでもなっているかもしれない。


数日前、瑛子からイケメンくんがかっこいいだの今度見に行ってみたいだの散々聞かされたことを思い出した。イケメンくんの名前はもう忘れてしまったが彼女が言うには今までに見たことがないくらいの美男子らしい。


(多分、イケメンくんを見に行っちゃったんだろうな〜〜。もう…瑛子のバカ〜)


大きくため息を吐くとお弁当箱を開けた。


「!!……うわぁ…」


お弁当の中身は全部右に片寄っていた。


「今日の電車の揺れ、酷かったからなぁ…、はぁ…ほんとにツイてないよ……。………」


ふと電車で会った王子のことを思い出した。


(今までに見たことないくらいの、か……)


整った顔にふわふわした綺麗な髪。モデルみたいな人だったけれどスーツを着ていたし、多分普通にどこかの会社で働いているのだろう。


(って、いやいやいや…、何真剣に思い出してるの私……ただの他人でしょうが。)


顔が綺麗とはいってもイケメンなんて無縁だし、思い出すだけでも吐きそうだ。今日のことは忘れよう。


「う、うえっ……。……お弁当全部食べられなさそう…。」


早く帰ってゲームしよう、と箸を動かし始めた。


この時の私はまだ気づいていなかった、この様子を誰かがみていることに。

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作者名:祈夜 | 作成日時:2017年3月21日 10時

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