美しき天才小説家【名探偵コナン】

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貴方side







どれだけ全力を出しても、所詮私は女。
男の力に勝てるはずがなかった。













地面に打ち付けられ、
体に出来た新しい傷を抑える。












遅い……






紫苑くん、迷ってるのかな……
















光輝「滅多に外に出してねぇから、
紫苑はこの町のこともロクにわかってねぇんだよ」








ニヒルな笑みでそう言う。















残念だが、ここは米花町。
死神と恐れられる名探偵(7歳)が住む町だ。










この町のことをわかっていないのは紫苑くんではない。
今、私の胸ぐらを掴んでいるこの男の方だ。

















『……絶対に来ますよ、彼らは』


光輝「何の保証もないくせに、よく言えるなぁ」










保証？そんなの漫画を見れば一発だろう。






そう言えたらどんなに楽だったか。



















光輝「とりあえず、今日のことは全部忘れてもらうぜ」










そう言って、光輝さんはズボンのポケットから
何やら薬のような物を取り出した。








そっちにまで手を出しているのか……
つくづくクズな男だ。
















顎を掴まれ、口に流し込まれそうになる。











抵抗ができない。






必死に手足を動かすも、
傷のせいで全く効果が出ない。
















このままじゃダメだ。











コナンくん達が来る前にやられてしまう。






























その時、何故か全身に血飛沫を浴びた。

















光輝「ぐ、っ……！！」















光輝さんが苦しそうに胸元を抑え、
私の体を押し退ける。









手には赤黒い血が付着していた。














『光輝、さん…？』


光輝「テッ、メェ……！！」









殺気の込もった目で睨まれる。

















胸部に空いた穴を見て、
彼は銃撃されたのだとようやくわかった。


















……いや、違う。私じゃない。










まず武器となる銃を持っていないし、
仮に持っていたとしても撃てる状況ではなかった。



















私でも警察でもない誰かが、彼を撃ったんだ。








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