美しき天才小説家【名探偵コナン】

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貴方side






『ごめんね紫苑くん、
ちょっとトイレ借りてもいいかな？』


紫苑「いいよ！
コナンくん、心菜のこと見ててくれる？」


コナン「うん！」








紫苑くんの小さな手で、
私は部屋の外へと連れられる。
















井上紫苑(いのうえしおん)くん。
妹は心菜(ここな)ちゃんというらしい。












腕や首元にできた青い痣たちが、
この家の環境を物語ってくれている。









が、これだけで決めるのはまだ早すぎる。












今は大人しくトイレに案内されている私でも、
やる時はやらせていただくぜ。













コナンくんと事前に話した通り、
トイレに行くふりをして別の部屋を捜索させてもらう。



















紫苑「ついたよ！」


『ありがとう。
紫苑くんは戻ってていいよ』


紫苑「はーい！」








元気よく返事をし、来た道を戻っていく紫苑くん。
見えなくなったところで、私はひとつ深呼吸をした。














……………………やるか。

















まずは手短に、リビングから調べさせてもらおう。









こっそりと音を立てないように、
リビングらしき部屋へと忍び足で進む。





















『うわ、ゴミ溜め状態じゃん……』








ドアを開けると、そこには空き缶や生ゴミが
酷く散乱していてとても歩ける状態ではなかった。











床が見えないため足取りが悪いが、
とりあえず前に進む。


















食べかけのおつまみや割れた酒瓶の中、
同じように落ちていた物が目に止まった。















紫苑くんと心菜ちゃんと父親、
そして今は亡き母親が映った家族写真だった。










所々破かれたそれを手に取る。


















私の両親は家族になる前に別れたから、
こんなものはなかった。













もっと大事にしてほしいな、なんて。



















近くの棚にそれを置き、私は再び捜索を続けた。






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