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11. ページ13

童磨side




障子越しに薄い月明かりで照らされて寝ているAの横顔が確認出来た。

規則正しい寝息が聞こえてくる。

様子が気になって音を立てないように襖をあけると、そこには予想通り美しい顔で仰向けになりながら就寝しているAが居た。


A「……………」


童「(愛らしい寝顔だ…)」


閉じられた両目には黒く長い睫毛が生えている。
一見内気そうな外見とは裏腹に釣り上がった気の強そうな眉。

そして紅く女性らしい唇。


思わずその顔に手を伸ばすと、




童「……気付かれちゃったか!」

A「何を目論んでいたのですか、教祖様…」


童「髪飾りを渡しに来たんだよ!
ほら、昼間に忘れていったでしょう?

(しかし熟睡していたはずなのにこんなにも早く俺に気が付けるなんて)」

A「あ、あぁ… そうでしたね。
申し訳ございません、ありがとうございます。」


刹那、手を払い除けられた。
一秒前まで熟睡していたはずなのに。

そちらに目線を傾けた瞬間、Aはいつもと変わらない用心深い瞳で俺を見ていた。

可笑しいなぁ。
やっぱりAは普通の人間じゃあ、ない。


…知れば知るほど面白い。


童「別に構わないんだけどいつまで俺を見てる気なの?」

A「…教祖様が私の部屋に居るものなので先程の事以外でも何かご用件でもあるのかと…?」

童「用件、かぁ…

用事が無くても居たら駄目かい?」


A「は、はぁ……」


分かりやすく苦笑いを浮かべるAは心底困っているような様子だった。



A「えっと…
ほら、もう時間も遅いですし…
教祖様も就寝なさっては如何ですか?」

童「…俺は寝なくても平気だから!」

A「体に毒ですよ?」

童「…そこまで言うなら一緒に寝ない?
俺の寝室まで移動するの結構かかるんだよなぁ…」

A「そ、それだけはご遠慮しておきます。」


童「…本当に用心深いんだね?」

A「…は、」


耳元で囁く。
するとAはゾッとしていたのか一瞬だけブルッと身を震わせていた。


童「…そんな驚かないでよ!
俺は部屋に戻るよ〜。おやすみ。」

A「し、承知しました。おやすみなさい。」


ガラッ

襖を閉めた。
怯える女性は見慣れていたのだが、Aが怯えている姿を見るのはどことなく高揚感のようなものが内側から湧き出てくるような感覚を覚えた。




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雰囲気ピーマン!(プロフ) - 続きすんごい気になります…更新頑張ってください! (2020年3月12日 6時) (レス) id: 90d8910699 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:小鳥遊未來 | 作成日時:2020年3月11日 23時

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