夢操少女は腕の中【魘夢】 (ページ10)

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Aside

路地裏へと避難した。
家屋に挟まれ、光の届かない涼しい路地のおかげで少し落ち着いた。

更に奥に進もうとした時、足元に何かが落ちていた。

A「…簪だ」

それは淡い桜色の簪だった。
なんで、こんなところに簪だけぽつんと…

誰かが落としたのだろうか。

…それとも鬼に攫われた人のものなのか。

その後も町の中心部の路地裏や人気の少ない怪しい箇所を転々と回ったがかなりの量の簪や靴が落ちていた。

物を見る限りどれも若い人向けに思えた。

拾ったものは任務の前に町の役所へ預ける予定だった。

空を見上げると日が暮れていた。
…あ、炭治郎たちはどこだろう。

すっかり忘れていた。

私は午前中に三人が居た甘味処があった場所へと急いだ。

？『…美味しそうなガキだなぁ～～！この町は肉付きが良くて美味そうなガキが沢山だ！』

…？

歪な声が聞こえた気がした。
けれど一刻も早く三人と合流しなければならない為、そんな事を気に留める余裕はなかった。

速度を更に上げて、甘味処へと走った。

＊