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Aside
A『ッ……ぅ、う……』
刹那、影が重なった。
…酸素が、奪われて…いく。
鬼の長い舌が私の口内を侵していく。
目を開くと至近距離に鬼の顔があった。鬼は夢見心地…とでも言いたげな恍惚な表情で私の眼を見つめていた。
…ん?左眼に…「下壱」?
A『ッ、はッ……ぅ、う……』
魘『…もしかして、もう息あがっちゃった?
うん…可愛らしいねぇ 上手く息が吸えなくて必死に踠いてるAもとても素敵だよ』
A『辞め…さないよッ…!私は言った筈…よ、次こんな真似をしたらお前を殺す って…!』
魘『ごめんね?そんな事一切覚えてない
俺は自分がこうしたいと思うからAをこうしている。…それだけさ。
…あれ、抵抗して来ないねぇ 疲れちゃった?』
抵抗しないのではない。
一瞬の隙を…… 一秒でも早く現実に戻る為の糸口を探しているだけだ。
お前とお喋りしている時間は無いのだ。
魘『そうか…やっと諦めてくれたんだ
やっとやっと…やっと好きにさせてくれるんだねぇ?…ふふ、前は夜明けまで抵抗していたからね…
とても嬉しいよ、従順になってくれたこと』
A『……覚えてるじゃない』
魘『あぁ…うん。…それでAに何か不都合でもある?』
A『…不都合じゃない。寧ろ好都合ね』
魘『…ふぅん……
随分と余裕だね、もう抵抗出来ない癖に』
A『あんたが嘘つきだ って事……
それと…
私の両親を殺した鬼だ、って事!…よーく分かった。決着を付けなきゃならないの、お父さんとお母さんの為に。』
全身の細胞が疼くように、血管内が騒ぐように。
心臓がドクドクと脈打つ。
…押し返すんだ。押し返して、早く逃げるんだ!
私はただの女の子じゃない。…鬼から人々を守る…鬼殺隊だ。
戦わなければならない。
魘『ふふ…うふふふッ、Aは思っていたよりずっと勘が良いんだねぇ…?
そうだ、俺は…お前がガキの頃にお前の親を殺した鬼だ…
ねぇどんな気持ち?』
A『…仇を取る。戦う。…それだけ』
魘『…つまらないねぇ』
のしかかっていた重みが引いた。
…鬼が私の上から、退いた。
素早く飛び起き鬼と距離を取る。
そして荒ら屋から出た私は遠く遠くへ逃げた。
何度も何度も走りながら後ろを確認した。
鬼は追って来なかった。
…どうする?どうやって脱出する!?
あとは夢から覚めるだけだ。
*
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もん - とても面白いですっ!!魘夢君好きにはたまらないですね!? (2020年10月22日 17時) (レス) id: d3b3bddaab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:小鳥遊未來 | 作成日時:2019年11月25日 21時