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46. ページ48

Aside




戸惑う私の目の前に黒い影が立ち塞がった。

…誰だ?
…こいつは…


魘『やぁ… A!』

A『お前ッ!!わ、私を夢から出しなさいよ…!』

魘『そうかそうか、出たいよねぇ
早く覚めないと自分のせいで足を引っ張ってしまう……だから一刻も早く覚めたい
そうだろう?…ふふ、それは無理なお願いだよ」

A「ッ、ふざけないでよ…」


鬼は薄ら笑いを浮かべている。
残念ながら今の夢にいる私は、日輪刀も何も戦えるものを持っていなかった。

素手で掴みかかったとしても…敵うわけがない。


鬼は私に詰め寄る。
此処は廊下。…まずい、すぐ後ろは壁だ。このままだと捕まえられてしまう…

夢の中だとしてもこれは普通の夢ではない。

鬼によって操られている訳なのだから、身動きが出来ないと困るのだ。
脱出方法は分からないけど……

とにかく一秒でも早く目覚めるには、まずこいつに捕まらない事が優先だ。


廊下から寝室へ身を翻すと、縁側を通り玄関の通路へと移動した。


魘『それで逃げてるつもりなのかな?
俺はこの家の構造を嫌という程知っているよ……この家も、Aのこともよく知っているから…』


A『……う、ぁッ!?…ガッ、が…』

魘『…ほら、分かっちゃうんだぁ!』


…首を、掴まれた。
首を絞める力はどんどん強まっていく。

…苦しい……


苦しむ私とは相対的に鬼は愉快そうに鼻歌を歌いながら私を何処かへ連れ去ろうとしている。
…酸素、酸素が……足り、ない…

今にも途切れそうな意識の中、鬼は私の自宅の裏にある小さな荒ら屋の寝室へ向かった。

鬼は丁重に私を床へ降ろす。


A『…っはぁ、はぁ、…ッ、はぁ…』


息を吸った。

肺に酸素が入ってくる……
途切れかけていた意識が微かに回復した。

上を見上げると鬼は私が必死に呼吸をしている姿を笑顔で眺めていた。…何とか動けそうだ……
腰を上げようとしたその時、私の体は床へ打ち付けられた。


A『や、やだ……逃げ』

魘『相変わらず諦めが悪いな…
せっかく場所を変えてやったのに、どうして逃げようとするの?』

A『わ、私は!!夢から覚めなきゃならな

魘『…何度も言うけど無理だよ…
さぁ…やっと準備は整ったんだ

ふふ、まずは… どうしようかなぁ?』

口を手で塞がれ、声が出せない。
顔が青ざめていく。

その様子を鬼は嬉しそうに見下す。


刹那、影が重なった。


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もん - とても面白いですっ!!魘夢君好きにはたまらないですね!? (2020年10月22日 17時) (レス) id: d3b3bddaab (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:小鳥遊未來 | 作成日時:2019年11月25日 21時

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