夢操少女は腕の中【魘夢】 (ページ32)

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Aside

A「…とても、美味しいです…！」

あ「素敵な笑顔ですね、Aさん。
お口に合ったご様子で何よりです。」

A「…今までの食事で一番美味しいです、嘘偽りなく本当に…！
…あと、家族間のお食事のお時間に本当に私が居合わせても良かったのでしょうか…」

あ「えぇ、何も問題ありませんよ。
寧ろ新鮮な気持ちで食卓を囲めて、お館様も息子も娘も… 私も、嬉しい限りでございます。」

お「そうだね。妻の言う通りだ。」

A「…私は幸せ者ですね。」

この時間が、ずっとずっと…続けば良いのになぁ、なんて。おかげで次の任務も頑張れそうだ。
ご用意されたお食事は美味な故に、あっという間に食してしまった。

その日はお屋敷の一室をお借りして明日の支度をした後に就寝をした。

A「……眠れなかった…」

時刻は朝の四時三十分。
お招きされて泊まらせていただいただけでも緊張するのに、熟睡できる訳がなかった。

持参の手鏡で髪型を整えてから、屋敷を出発する為にお館様たちにご挨拶に向かった。

尋常じゃないくらい広いなぁ…

私の狭い一軒家とは大違いだ。

土地勘がない為、屋敷内の移動だけでも裕に五分は掛かった。

綺麗なお庭に差し掛かると、ご息女様とあまね様がお見えになった。
私はそちらに足を運び、感謝の意を伝えた。

お館様は今日は体調の方が優れないご様子で、残念ながら今日はお会い出来ないそうだ。
休息の邪魔をしてしまう訳にはいかないので、あまね様とご子息様、ご息女様たちにお礼を申し上げお屋敷を去った。

足取りが軽い。

痞えていたものが軽くなった気がした。
…次は…また半年後かな。

次の任務を控えている為、また鍛錬を重ねなければ…

自宅に戻ったら、近くの山で練習をしよう。

私はすっかりあいつの事など忘れていた。

…あぁ、何て清々しい気持ちなんだろう！
今まで不幸ぶっていた自分が馬鹿馬鹿しく思えてしまう程に今の私は気分が高揚していた。

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