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魘夢side
Aと二度目の会話をしたその日は、もうそれは俺にとって夢のように愉快で甘い夜だった。
彼女を愛しいと思う気持ちがより一層深まった。
…彼女は、俺を腹の底から徹底的に嫌っているようだけど。
まぁ、そこが逆に良いのさ。
相手が嫌いなら奪って仕舞えば良い。彼女の精神を。
そして二度目の対面中、長らく忘れていた事が頭に思い浮かんだ。
首を絞めていた時に見えた…眠っていないAの顔。
…すなわち初めてはっきりと彼女の眼を見た。
その双眸は、透き通るような黄金色だった。
そして同時に、五年前に俺の手によって両親を惨殺された餓鬼を思い出したんだぁ。
確かあの餓鬼も同じ光彩を持っていた。
更に、Aの泣き噦る顔を見た時もまたその餓鬼を思い出したんだ。
前から薄々感じていた。
…Aは、
Aは、五年前に両親を惨殺された子どもだったんだ。顔付きや髪型がかなり変貌していて最初は気付かなかった。
けれど彼女を見ていくうちに、彼女の行動を監視しているうちにそれは疑念から確信へと変化した。
…あぁ、Aはつくづく可哀想だなぁ。
唯一の救いは、彼女自身は俺の正体にまだ気が付いていない事。
きっと全てを理解して仕舞えば、命を賭してでも俺を倒そうとしてくるだろう。
まぁ当たり前と言っちゃあ当たり前だよね。
俺を倒して仇を討つ以外、Aの生きている意味が理解出来ないから。
…さぁ、次の段階に移ろうか……
善は急げ、でしょ?
俺にとってAを完全に手に入れる事は善。
そしてAに殺される事は悪 だ。
大丈夫だ。
Aはまだ、柱程の実力は無い。
微かに口の中に残るAの味が愛しい。
また、今日も月が綺麗な夜だった。
*
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もん - とても面白いですっ!!魘夢君好きにはたまらないですね!? (2020年10月22日 17時) (レス) id: d3b3bddaab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:小鳥遊未來 | 作成日時:2019年11月25日 21時