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Aside
炭「…で、誰にやられたんだ?」
A「誰、かなぁ…」
炭「覚えが無いのか?」
A「う、うん。私が寝ている時に襲われたみたい。…にしてもこんな小さな傷や絞め痕、何の意図なんだろうね。」
嘘をついた。今度は悟られないように、平然を装い炭治郎から顔を逸らす。
すると炭治郎に両肩を掴まれ、微かに怒りを孕んだ声色で私に語り掛ける。
炭「…Aから鬼の匂いがする。
…何だろう、鬼独特の匂いが強い。Aは人間だから、もしかしたら鬼に触られたりしたのか…?」
A「た、炭治郎……」
炭「だって!Aは無理をしているような気がする。…いつもなら凛々しい雰囲気も…
今日は何だか弱々しいよ。」
A「そう、かなぁ…」
何だか、炭治郎には敵わない気がする。
そして炭治郎の台詞は、今の私を見透かしているようだった。
赤い真っ直ぐな目が私を見つめる。
私はそれに負けて、少しずつ本当の事を話し出した。
A「…炭治郎の言ってる事は当たってる。
本当は、ね…
鬼に昨夜、散々愚弄されたの。
無理矢理接吻をされたり首を絞められたり、肌に爪を立てられたりしてそいつは私の反応を楽しんでいたみたい。」
炭「ッ、A、大丈夫か?
そんな事されて苦しかった、だろう…?
…俺は許せないよ、そいつを。大切な仲間を痛ぶったんだから…」
A「う、ん…… 抵抗出来ない自分が情けなくて…悲しくて、苦しくて、気持ち悪かった。
ううッ……」
炭「…Aは情けなくなんかない!
寧ろ凄いよ、だってそれに耐えたんだ。」
A「 っ、うわぁああッ……」
炭「……Aは強いよ。」
泣きたくなるような、優しい笑顔。
思わず涙が溢れてしまう。泣いた顔なんて、本当は見られたくはないけれど。
今は炭治郎の優しさに甘えてしまいたい…
炭治郎は何も言わずに私を抱きしめ、慰めてくれた。
善「炭治郎ー!饅頭もらったんだ、一緒に食べようぜ……
ッ!!?え、え、えぇえええ!?
え、炭治郎!?Aちゃん!!?
二人ともそういう仲だったのぉ!!?」
炭「善逸!!声が大きいぞ!
…違う、Aの顔を見てみろ。少し事情があって。」
A「え……?ぜん、いつ…?」
善「そ、そう!善逸だよ!!
どどど、どしたの!?…Aが泣くなんて珍しい、ね…
爺ちゃんの厳しい修行でもAは泣かなかったのに…」
*
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もん - とても面白いですっ!!魘夢君好きにはたまらないですね!? (2020年10月22日 17時) (レス) id: d3b3bddaab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:小鳥遊未來 | 作成日時:2019年11月25日 21時