私たちのひかりクラブ (ページ6)

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伍ページ6

『ターミヤくん』

教室の扉から顔をひょこ、と出した彼は

陶器のような純白の肌に、雪に落ちた一滴の血のような深紅の唇、朝露が光るような長いまつ毛、紅潮した頬

学生帽が落ちないように抑えて、顔を真横に傾けている

タミヤのクラスの男子は、いや、螢光中の男子は皆、Aを高嶺の花の少女かのように恋をする

｢ほんと、Aって可愛いよな｣
｢あいつ男だけど、男の俺ですら好きになり｣

｢黙れ｣

｢｢ﾋｯ!!｣｣
｢た、田宮…!じょ、冗談だよ…なぁ？ははは｣
｢そ、そうだよ、本気にすんなよなぁ｣
｢お、俺、帰るから、じゃあな！｣
｢おい待てよ！置いてくな！｣

タミヤは彼ら二人組をｷｯと睨んだ

二人は震え上がり、顔を真っ青にして、Aの横を駆け抜けて行った

走り抜けていく彼らが速すぎて、Aの髪がふわっと靡いた

『わぁ…何話してたんだよ。また顔怖かったぞ？』

｢ああ、悪ぃ｣

今日は二人で工場へ向かう

『ねえ、あの二人、どうなったかなぁ』

｢あそこは朝からゴミ回収であの死体の上にゴミが乗せられる。見つからないさ｣

『そ…僕、殺人の現場、初めて見ちゃった』

｢俺もだよ…まぁ、自業自得だ、見てはいけないものを見たから｣

『…殺すとは思わなかったけどジャイボだもんね。まぁ、ニコがライチのために目を抉った時もびっくりしたけど…なんか昨日のはイマイチだったなあ…』

｢イマイチ…？お前、浜里の目潰した後、爪剥いでたじゃねえか｣

『一度やって見たかったんだァ』

｢本当変わったよな…｣

タミヤは寂しそうに、スキップして軽やかに前を行くAを見つめた

するとAは急に立ち止まり、タミヤを振り返った

『あ、ねぇ、ニコが目玉を焼いて食わせたいって言っただろ？あれってさ、自分の片目を失ったからかな？あははっ！そうだったら、皮肉だよね！』

｢A…もしそうだとしても、ニコがゼラに皮肉を言うと思うか？あと、声がでかい｣

『言わないね、ニコの忠誠心怖いもん！僕だってゼラに着いていこうとはしてるけど、あそこまでは、出来ないなー…あんなやつじゃなかったのにね』

｢ひかりクラブは…俺のものだ｣

『うん。僕は、タミヤ君のこと、ずっと好きだよ』

Aの笑顔を爽やかだったが、あの頃はひろし君と呼んでいたのに、と胸が締め付けられた