吸血姫と呼ばれた少女II【ワンピース】 (ページ7)

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出港ページ7

【火拳のエース、インペルダウン…】

新聞の見出しだけでAは血の気が引いた

手元が震え、足が震え、冷や汗が出る

『どういうこと？エースは船をおりたのか？嘘だ!!待ってるって言ったのに!!』

力なく座り込んだAはダンっと拳を床にぶつける

頭の回らない寝起きでもわかった

これは一大事だ
早く助けないと、わかる分かってた
だから言ったのに…！

すっくと立ち上がり、地図を取りに行こうとする

近いうちに死刑になる

Aはそう思った自分に驚愕し、後退り、樽にぶつかる

樽にはみんなの大事なものが置いてある
ほぼ物置状態でほとんどAの私物なのだが

オルゴールが音を立てて、落ちる

『海軍は、知ってるんだ…』

ただでさえ純白なAの肌が青くなっていく

インペルダウンとマリンフォード

震える手で地図を広げるとインペルダウンの方が近いことが分かった

『インペルダウンへの出航準備をしなくては…！家族を助けに行かないと』

｢行ってしまうの…？｣
｢私達も行くわ｣
｢俺らも行く｣

『だめ』

Aはキッとみんなを睨んだ
その表情にみんなは顔を青くする

『ごめん…』

｢あなたの家族なら僕たちの家族でもあります｣

『え…？』

｢だってあなたは俺たちをファミリーと呼んだ｣
｢そうよ、それってAさんの他の家族も、私たちの家族ってことだわ！｣

『…ははっ、そうかも…いや、そうだな』

そう笑ってAはわしゃわしゃと少年少女の頭を撫でる

『これから歴史に残る大きな戦争が始まる、あたしの、あたしの家族の命を懸けた、戦争が。それについて来れるのか?ついて来れなくったっていい、それを責めたりなんかしない。だが、ついて来るのなら、それ相応の覚悟がいるぞ』

｢…分かっていますわ｣｢俺は行くぜ｣｢死ぬ覚悟で｣｢僕も！｣

少年少女たちは各々の得意な武器を握りしめる

彼らの決心が、覚悟が、その目に燃えている

『そうか。ありがとう。じゃあ、まずはインペルダウンだ、行くぞ。他の者は海軍本部にゆっくり近づくように!!何かあれば電伝虫を鳴らせ!!』

Aは唯一悪魔の実を食べたトパーズとインペルダウンに旅立った