吸血姫と呼ばれた少女II【ワンピース】 (ページ6)

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最悪ページ6

｢あ、鳥さん！いつもありがとう。姉ちゃん、新聞!!｣

トパーズが新聞を受け取り、アメジストに渡す

｢ありがと…これって!｣

｢俺が1番だ!!｣
｢いーや、俺が1番!!｣
｢なんだと!?｣
｢チビのくせに!｣
｢こんだけしか変わんねえだろ!｣

「どんぐりの背比べって言うのよ、それ」
「「なんだと、！」」

｢どいて!!邪魔よ、一大事なんだから!!｣

タンザナイトやサファイアのいつもの喧嘩を聞きつつ、笑いを堪えながらAは目を瞑り眠りに落ちる

そんな喧嘩の中でアメジストの逼迫した声が響くのが気になる

バタバタと慌ただしくAが寝ているハンモックにやってきたアメジスト

パチ、と目を開けたAが目線だけ向けると彼女は冷や汗をかき、顔面蒼白だった

いつもは唸りながら起きるAが珍しく体をすぐに起こした

悪寒が体を走り、何か恐ろしいことがある予感がしたのだ

｢…Aさん、新聞｣

『どうしたの、大丈夫？顔色が悪いぞ』

｢ご覧になって。これって、あなたの、家族でしょう…?｣

『あたしの、家族？』

Aは耳を疑った

年が上の子達には話していた
Aの家族を

彼らも薄々気づいていたらしい
いつも聞かせてくれるおとぎ話はAの半生だと

Aの家族のひとつは消え、ふたつ目は大家族で旅をしている最中で、みっつ目はここだ

ふたつ目の家族は新聞に乗るような人達だが、この子がこんなに焦っている

｢これ…｣

差し出された新聞にAは手を伸ばして、一瞬躊躇った

『…!?』

新聞を渡すアメジストの手は震えていた

Aは新聞を見て目眩がして動悸がしてきた

最悪の事態だ

Aが恐れていたことが起こった