吸血姫と呼ばれた少女II【ワンピース】 (ページ48)

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言葉ページ48

ｺﾂｰﾝｺﾂｰﾝ
Aの靴の音が響く

『相変わらず入るのは簡単！そして、うるさいのも変わらない！本当に嫌なところね！』

ｺﾂｰﾝｺﾂｰﾝ

『どう？ドフィ、ご機嫌いかが？』

｢ｱｧ?…A！まだ生きてやがったのか｣

『知ってるくせに』

｢フッフッフッ…頂上戦争のとき、まさか白ひげの所に入ったとは思いもしなかったぜ。裏切り者の小娘｣

『アンタなんて、裏切られて当然でしょ』

｢巫山戯るのも大概にしろよ｣

Aはサラサラの艶やかな髪をサラッと払う

縞模様を着たドフィにサングラスの奥できつく睨まれる

『やーね、そんな顔しないでよ、こわぁい…あたし、天竜人嫌いなのよ』

｢それを言いに来たのか｣

『アンタの過去に何があったかなんて知らねえけど、両親がいない上、恨まれながら生きるのは辛かっただろ…あたし、ファミリーにいた時は少しだけど楽しかった。ありがとう、それは感謝する。居場所を与えてくれた…だが、死んでくれ。ロシーを殺しかけたお前なんて、大嫌いだ！』

最初は落ち着いて優しそうな声音で話していたが、鉄格子にしがみつき、怒鳴りつけるA

そんなAはまるで獣のよう

Aの言葉に肩を震わせ反応するドフラミンゴ

｢おい、A。今、ロシーを"殺しかけた"って言ったな｣

自分の感情に任せて口走ってしまった
せっかく取り返した幸せを自分で壊してしまう

『言ってない。"殺した"の聞き間違えだろう』

｢…そうか。ロシーは、俺の唯一の…『家族』ﾁｯ、お前の顔なんざ二度と見たくねえ。とっとと失せろ｣

『好きなくせに。…ねえ、ここの暮らしって、どう？』

｢…｣

『ﾌﾝｯ…バイバイ、ドンキホーテ・ドフラミンゴ』

踵を返し、はらりと手を振って去っていくA

｢なぜあんなことを聞く…？｣

"ここの暮らしってどう？"

妙に引っかかるこの言葉

Aはなにか企んでる

去る時にほくそ笑む頬が見えた

｢ﾆﾔｯ)フッフッフッ…さすが、俺の認めた女だ｣

ああ、俺は惚れていたんだ、Aという女に
ロシーととびきり仲がいいから嫉妬したのか、？俺は

｢フッフッフッ…｣

ドフラミンゴの静かな含み笑いで監獄をピリッとした空気が包み込んだ

『うっ…寒気が…まあいいや、ローはどこかな』