幻影 ページ47
『見えてきた！』
｢A、俺ちょっと会いたくなくなってきた…｣
『はぁ、？』
｢合わせる顔がねえっていうか…親父はいねえのに、俺に会えても…｣
『はァァ、まだそんなウジウジ言ってるの？弱虫め。皆に愛されてるって気づいたんでしょ?』
｢A…｣
島に降り立つ
Aはエースを隠すように大きな羽を広げる
『マルコーーーー！！！！』
｢…A！久しぶりだねぃ！｣
『久しぶり。いいお知らせがあるの。きっとびっくりするわ。覚悟はいい？』
｢…また何か企んで…｣
ジトッと見てくるマルコを気にせずに
『ジャーン！』
羽を消して、Aが避けるとそこには死んだはずの弟、エースがいる
またAの催眠術やら幻影やらかと思ったマルコは眉を潜める
これはしてはいけないことだろう、と
｢A。巫山戯るのもいい加減に｣
｢マルコ｣
｢…！｣
｢俺の事、分かるか?また会いたかった、皆に。ごめん…俺
｢エース…！｣
幻影じゃなかった
催眠術でも無い
あの、エースだ
死んだはずの、エース
マルコは涙が溢れて止まらなかった
気づいた時にはエースとAを抱きしめていた
ちゃんと、実感がある
幻でもなんでもない
暖かい
生きている
｢会いたかったよぃ！｣
｢マルコ…！｣
『あははは！くるしー！』
｢｢｢｢エース、?!｣｣｣｣
騒ぎを聞き付けた人がやってくる
｢みんな！｣
｢マルコが泣いてらァ｣
｢そういうお前だって！｣
馬鹿にし合う兄達を見てAは満面の笑みを浮かべる
すると、エースは急に輪から離れて罰が悪そうな顔をした
『エース?』
｢面目ねぇ…｣
｢俺たちはそんな言葉待ってねえ｣
『何言ってんだ？エース』
｢ごめんなさ｣｢違う｣
『アンタの帰るべき場所はここだろ！』
Aがバッと手を広げると、エースは何か察したように二カッと笑った
｢た、ただいま！｣
｢｢｢｢｢『おかえり！エース！』｣｣｣｣｣
その日はしみじみとみんなで晩酌した
『何回言わせやがんだバカ。お前は浮き沈み激しい！』
｢Aにゃ、言われたくねえよ｣
『何よ』｢やんのか｣
｢これを見るのも久しぶりだな｣
｢ああ、懐かしいぜ…｣
｢おー！もっとやれ！A！｣
｢負けんな、エース！｣
『｢あはは、やっぱりエース/A最高！｣』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 147人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぽ | 作成日時：2021年8月16日 18時
