親心 ページ45
戦いが終わり街に活気が戻っている
フラフラと歩いていると、声が聞こえてきたので立ち止まり、そちらに目を向ける
｢悪いねえ｣
｢いや、これくらいさせてくれ｣
ｽﾞﾃｰﾝ!
｢ドジった！｣
｢あはは、お兄さん面白い！｣
｢お兄さんに見えるのか…！嬉しいなぁ！｣
聞き覚えのある懐かしい声
見覚えのあるあの大きな人
あの変なメイク
ローは目を見開いた
｢コラ、さん…？｣
ｶﾞｼｬﾝ
手に持つ剣を落としてしまった
すると大男はズンズンとこちらへ向かってきて、落とした剣を拾いあげようとしゃがむ
｢あ、大丈夫か…？ｺｹｯ)うおっ｣
｢コラさん、なのか…？｣
｢え…？お前は…｣
コラさんと呼ばれ、反射的に顔を上げる大男
コラさんと呼ぶのはかつてファミリーだったやつくらいだから、それもチビ達
顔色の悪い青年は目に涙を貯めている
｢ロー…?ロー、お前、ローだな!!｣
コラさんの顔が途端にパッと明るい笑顔に変わった
｢ロー…!!!大きくなったなぁ！｣
｢コラさん!!!!会いたかった！俺、俺｣
｢愛してるぞ、ロー！｣
｢俺もっ、愛してる！｣
コラさんはローを抱き上げてくるくる回した
｢俺はもうガキじゃねえ、コラさん！///｣
｢俺にとっちゃまだまだガキだぞ！ロー！｣
ローとコラさんを会わせてあげようとしたのに、街のどこにも居なくて飛び回るA
『もう、どこに行っちゃったの!!ローったら…ぁ』
見つけた
もう出会ってるんじゃないか
近くに降り立ち、泣きながら抱き合う2人を見つめるA
｢A｣
『気づいてたの？』
ふと名前を呼ばれ驚くA
コラさんは手を差し伸べ、Aはそれに応じて手を取ると引っ張られる
3人で抱きしめあった
『アンタらほんとブサイクよ、今。涙でぐちゃぐちゃ』
｢お前も人のこと言えないからな！…Aもローも愛してるぞ、生きててくれてありがとうな｣
｢俺も、あ、愛してる…｣
照れながら帽子を深く被るロー
Aとコラさんは微笑んだ
『正直になってる〜』
｢可愛いぞ、ロー。今も昔も｣
｢う、うるさい!!｣
『｢かわいい〜｣』
親バカのように2人はキャッキャッとローを見てはしゃいでいる
そんな2人を睨みつけるローだったが、嬉しくて、楽しくて、笑ってしまった
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作者名：ぽ | 作成日時：2021年8月16日 18時
