兄弟 ページ43
｢エーーースーーーー！｣
｢エースっ…！｣
サボとルフィが叫びながら走ってくる
『わぁ』
スっと避けるA
突っ込んで行くルフィ
倒れるエース
立ち止まるサボ
｢おお！ルフィ！と、…そっちは？｣
｢生ぎでだぁぁ…！エース！会いたかったぁぁ！｣
｢エース…お前、ほんとにエースなのか…｣
飛び込んできたルフィを抱えようと手を伸ばしたが、首に腕を巻き付けられ、エースは尻もちを着いた
立ち止まった場所から動かず、突っ立ったままのサボは目を見開いて顔色が悪い
｢おう…？…お前、誰だ？｣
『サボ』
いつの間にかAは尻もちを着いたままルフィに乗っかられているエースの真横に立っていた
Aが腕を後ろで組み、淡々と答える
｢ちょ、A…！｣
｢サボ…？サボ…なんで…、生きてたのか…！お、お前、本当に、サボなのか…？｣
｢ああ…｣
エースはルフィを抱えたまま立ち上がった
｢そっか、そうかぁ、生きてたのか……良かった…てか、なんで、目ぇ合わせないんだよ、サボ｣
｢ッ合わせる顔が、ねえ…｣
泣きそうになりながら心から嬉しそうに顔を綻ばせるエース
帽子を深く被り、真一文字に口を結び俯くサボ
『サボ』
Aに背中をポンと押され、潤んだ目を決意の目に変えて帽子を取るサボ
｢…ぅん。エース、あの時助けに行けなくて、本当にすまなかった！エースが死んで、新聞の記事を見て、今までのこと全部思い出したんだ。思い出す機会はもっとあったはず…なのに！全く思い出せなかった、今まで、エースのことも、ルフィのことも、思い出せなかった…俺は、俺は、自分が憎くて許せない…本当にごめん、ごめんなさい…｣
帽子を握りしめ、深く頭を下げるサボ
涙も鼻水も顔から出るもの全部垂れ流しながら
サボは膝から崩れ落ちた
するとエースはズンズン歩いて、サボの前に立つと
ゴツンっ！
｢いっ…｣
殴られた頭を抑え、涙目でサボは上を向いた
______________
「なあ、エースのの帽子が墓から消えてる」
「飛ばされちまったかなぁ…」
「エースなら被ってるんじゃないか」
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作者名：ぽ | 作成日時：2021年8月16日 18時
