吸血姫と呼ばれた少女II【ワンピース】 (ページ42)

今日:6 hit、昨日:5 hit、合計:40,040 hit

怪訝ページ42

目が覚めるとふわふわした心地だった

回りには何も無い
真っ白な世界

俺は、どうしたんだっけ

ああ、死んだんだ
赤犬に腹を貫かれて

立ち上がり、当たりを見渡す

向こうの方にぼんやりと人の形が見える

目を凝らすと

赤い花を指した薄ピンクの長い髪を、風もないのに靡かせる白いワンピースの女性

女性に手を回す自分と似たような黒い髪に特徴的な髭の大きな風貌の屈強そうな男

生きているうちに自分を愛してくれた大きな刀を持っている特徴的な白い髭の大男

ああ、どこか、懐かしい

気がつくと走っていた

母親だ父親だ親父だ

泣きながら走った

俺は、愛を、たくさんもらった

家族に、親父に

飛びつこうとした

手で阻止された

｢ｲｯｯｯｯ…!!!｣

顔に激突して、痛い

満面の笑みで

｢｢｢あなた/お前の来るべき場所じゃない｣｣｣

優しく微笑む3人に突き落とされた

｢え？て、うぉおおおおああああ！！！｣

_＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

『んで、目が覚めたらここにいたと』

｢ああ。でも、あれ本当に誰だったんだろーなー｣

『それはきっと、エースのお母様とお父様と親父だよ。エースは、まだこっちじゃないって事。だから、阻止してくれたんだ』

Aが真剣な顔で伝えると、それだっという顔でAを見つめるエース

｢だから俺は走り出してたのか…｣

『愛されてるってことにようやく気づいたの?にしても、死んだのに生き返るなんて凄すぎる…まさしく奇跡…』

顎に手を当てふむふむと考えるA

｢少し、喋ってみたかったりも…｣

『大丈夫！人は必ず死ぬもの！そう、いつか死ぬの！そしたら会えるんだから！』

Aはいたずらっぽく笑う

その笑顔を見て懐かしく思う

また帰ってこれた奇跡に本当に感謝した

神はいるのかもしれない

｢ははっ、そうだな、ほかの仲間のところにも行きてえ｣

『もちろん！エースのこと、みぃんなびっくりするよ！』

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

｢ああ、また抱きしめたかったけど…大きくなってたわ、嬉しい…｣

｢おれはまだ触れたことなかったから少し触れられて嬉しいぞ！｣

｢グララララ、俺は何度も抱きしめたぞ｣

｢自慢かよ｣

｢ふふ、もっと長く生きてこちらへ来なさい。可愛い息子、その子と共に生きて｣